ニューミュンヘン神戸大使館

憧れの対象から、自ら「神戸大使館」の顔になったことの責任を実感

東根 丈(ひがしね じょう)氏

新入社員の頃、2階ホールで日々多くのお客様に接客する業務の合間に、吹き抜けから下を見ると、前任カウンターマンの一つ一つの振る舞いが眩しく見えた。「かっこいいな。いつかは自分もああなりたいな。」と憧れが募った。
東根氏は、高校時代のアルバイトの経験から、ホスピタリティに興味を抱き、迷いなく飲食業で働くことを選び、卒業後すぐにニューミュンヘンに入社した。入社後すぐに「神戸大使館」の2階ホールに配属となった。2階ホールでの仕事は充実していた。「ここのビールは美味しいね」と、楽しそうに飲んでいるお客様に接することに喜びさえも感じた。そして下を見ると、先輩カウンターマンが手際よくビールを注ぎ、スマートにお客様に提供をしている。注がれたビールを飲んでいるお客様の表情から、心から満足されていることがわかった。ここでの仕事はホスピタリティとともにこだわりに満ち溢れていると思った。
そんな東根氏に転機が訪れたのは入社2年目。前任のカウンターマンに代わり、カウンターを任されることになったのだ。ビヤホールではカウンターマンは花形。その花形を飾っていくには、諸先輩方から引き継がれる生ビールに対するこだわりと徹底した品質管理が必要といえる。憧れの存在から、「神戸大使館」の顔としての責任を実感しながらカウンターに立つことになったのだ。

経験が浅いからこそ真摯に向き合う姿勢が大事

「ニューミュンヘンの生ビールの味」をお客様に提供するため、カウンターマンのためにきちんとしたマニュアルが用意されている。経験が浅いからこそ、カウンター業務にかかわるすべてに関して真摯に取り組もうと思い、来る日も来る日も、マニュアルを読み込んでは知識を身に付け、練習をすることで技術を習得し、わからないことがあったら上司や他店の先輩カウンターマンにすぐに助言を求めるなどして腕を磨いてきた。
「神戸大使館」のカウンターに立って3年、まだまだこれからも研鑽を積んでいかなければならない。だが、真面目に取り組む姿勢が徐々にお客様から認められ始めているのも確かなようだ。事実、取材時にも「東根君がビールを作ってよ」という言葉が耳に入ってきた。これからも更に腕を磨き、こだわりをもってニューミュンヘンの生ビールを提供していきたい。

ビールを注出する最初の段階で、いかに自然な泡を作り出せるかが大切

神戸大使館では、スライドカランでお客様にビールを提供している。東根氏は、左手でジョッキを持ち、右手でカランの操作をする。ジョッキの内側を注出口に軽く触れさせ、握る手と注出口でジョッキを支えるように構える。ジョッキの持ち方は、親指と、人差し指と中指とで把手の上端を握り、薬指はジョッキ側面を突くように伸ばし、小指を軽く握りバランスをとっている。
次に、カランを開き注出を開始。ジョッキを微妙に動かして、ビールを回転させるように注出し、泡が7割くらいになったらカランを1度閉じ、上面の粗い泡を切り、しばらく静置する。「この段階で自然な泡を作り出して、その中にビール本来の爽快感や苦味を閉じ込めるんです。その日によって泡だち等状態が変わるのが生ビールの面白い所」と東根氏。泡が落ち着いてきたら、ジョッキを斜め45度に傾けて、泡の下にビールを注ぎこみ、静かに泡を持ち上げてくる。最後に泡を綺麗な状態に仕上げたら、お客様に提供するという流れである。

  • 左手でジョッキを握り、右手でカランを操作
  • ビールを注出し、泡が7割になったら1度カランを閉じる
  • 上面の粗い泡を切る
  • 自然な泡を作り出すため、しばらく静置する
  • ジョッキを斜め45度に傾け、泡の下にビールを注ぎ込む
  • そっと優しくジョッキを置いて、お客様に提供する

ビールを美味しく提供するために最も大切なことは「洗浄」

「生ビールを取り扱っているお店はすべて同じだと思いますが、美味しいビールを提供するために最も大切なことは『洗浄』です。」と東根氏。特に「神戸大使館」では、200ℓタンクからビールを提供しているので、タンクの注出口からライン、そしてコックまで他のお店より遥かに長い距離を洗浄しなくてはならない。大変なことだが、美味しいビールをつくるため、毎日手を抜かず徹底的に綺麗に洗浄しているのだ。もちろんこれには「ジョッキの洗浄」も含まれる。
そして、次に重要なのがタンクの残量確認とガス圧の調整。「タンクの残量によって泡立ちなど全くの別物に変わってしまいますので、如何に日々の商品管理が最高の1杯を生み出しているのかに関わってくるのです」。ビールの注出技術だけでなく、このお客様の目に触れることのない地道な作業が美味しいビールを生み出しているのだ。

新生「神戸大使館」と同じ年に誕生した若きカウンターマン

ここ、「ニューミュンヘン神戸大使館」は、東京オリンピックの年に誕生したが、平成7年の阪神大震災で全壊。しかし、数ヶ月後に再建の決意をし、翌平成8年に、オリジナルビール醸造工場を併設した新しい「神戸大使館」を誕生させた。東根氏も平成8年生まれの若きカウンターマンだ。「カウンターマンにとって必要なのは、美味しいビールをご提供するための知識や技術とともに、『東根君のビールを飲みに来たよ』というような“自分のお客様”をつくるためのお客様に対する気配り、目配りです。」と東根氏。若いながらも“自分のお客様”が徐々に増えて来ており、社内の上司からの評価も高いが、本人は、「まだまだ勉強段階」と謙遜する。神戸に来られたら、この謙虚な若きカウンターマンが心を込めて入れてくれる美味しいビールを堪能してもらいたい。

ニューミュンヘン神戸大使館

〒650-0021 兵庫県神戸市中央区三宮町2-5-18
TEL. 078-391-3656 FAX. 078-391-7818
【営業時間】11:30~22:00(ランチ営業あり・ラストオーダー21:30)
不定休