インタビュー

一番になってみると、
これまでと、みんなの
喜ぶ顔が違った

舁き手/岡崎 大地 氏

インタビューで最年少、県内の大学生に通う岡崎おかざき大地だいちさんが登場。

― それではまず、ご自身と山笠の出会いからお願いします

生まれた時からではないのです。あまり覚えていませんが2歳とか3歳くらいからです。近所のおじさんに誘われて、兄が参加するようになって自分も参加するようになりました。

― ご両親ではなく、近所のおじさん?

はい。両親は山笠はやっていないです。

― なんとなく皆さんご両親が、というパターンが多かったので意外ですね。

はい。で、本格的にやるようになったのは中学1年生で若手入りしてからですね。

― 中学生の時って部活とかもあって忙しいですよね

はい。山のために部活を休んだりすることもありますが、自分は博多市内の中学なので、そういう学校や部活の理解はありますね。

― それくらい町の行事なのですね。今の関わり方は、どんな感じですか?

18歳で赤手拭になって4年目です。赤手拭というのは、上の人たちに認められてなるものなのですが、そろそろ僕だろう!というのはありますが、やはりなった時は嬉しかったです。
赤手拭になると任される仕事が他の若手とは違ってきますね。特にいろんなしきたりやルールが多くてめちゃくちゃ大変です。怒られてばっかりで『ここはこうせな怒られる!』とか常にアンテナを張って。

― そんな怒られることの多い山笠の魅力ってなんですか?

自分は4年連続で櫛田入りを舁かせてもらっていますが、やはりそれを任されているというのは、任されていない時と比べて、自分がワンランク上に上がったなと思えるし、そうなると自然とモチベーションもあがりますよね。そういうのは舁かないとわからない魅力です。

逆に若い頃は、結構ちゃらんぽらんさせて貰っていたけど、赤手拭になってからは、町内の顔になるのでそれに泥を塗ることがないようにしっかりしなくては!と思います。町内を背負っているという感じが出てきますね。仕事のことでいうと、若手の時は仕事内容の深いところまで知らなかったけど、いまは山だけではなく町内のいろんなことに携わるようになっています。

しかし若手が減っているのは残念です。自分たちがちっちゃい頃は、お兄ちゃんたちがたくさんいて、という感じでしたけど。

― 若手が減っているということですが、そんな山笠に参加しない若手にいいたいことってあります?

山笠の魅力は一回観たらハマると思うんですよ。熱すぎてきついところもありますが(笑)だから見に来てください!と

― 山笠には、いま、きついと言いましたが、厳しい上下関係がありますよね。

はい。山笠は手拭の色で全部分かれていて、手拭の色が上の人が絶対です。その上の人たちは自分の意志でいろんなところを変えられるので、その姿には憧れますね。

― そうですか。自分もいつか、みたいな感じですかね。では、観ているだけではわからない山笠の魅力ってどんなことだと思いますか?

自分が左に振ろうと動くと山が左に振れるんです。みんなで舁いているけど自分の力で動かしているのを感じられるところですかね。
あとは台に交代で着くときのスリル感ですかね。自分はまだまだ緊張しますがあのスリル感は魅力ですね。

それと直会の一杯ですかね。山の間はホントによく飲みます。それが場を盛り上げてくれるのですが、中でも一番美味しい瞬間が山を全部終えたあとの直会の最初の乾杯ですね。本当に喉がカラカラですし、櫛田入りしたときの思いなども合わせて自分たちは毎年泣きますね。号泣ですね。

― 毎年、しかも号泣ですか?それはどういう涙なんですか?

実は昨年はじめて自分たちの西流が櫛田入りのタイムで1番になったんですよ。それで先輩たちも喜んでくれて、その先輩たちが注いでくれるたびに深い話をしてくれて、それで泣きますね。
4年前にスピードで1番になるという目標を立てて頑張ってきて、それがようやく実りました。一番になってみると、これまでと、みんなの喜ぶ顔が違ったんです。だから自分たちも直会では食べるよりも一人でも多くの先輩たちに注いで回りたくて、ずっと注いでいました。

― それでは、今年も狙っていますか?

もちろんです。あの味は忘れられないですから。

さて、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
トップである会長から若手まで様々な方に話を伺い、山笠の魅力をご紹介してきました。他の祭りにはない「熱い思い」が伝わったのではないかと思います。そんな熱い思いにこれからもビールを通して応援していきたいと思います。

博多祇園山笠振興会 豊田侃也山大工 名越 康博人形師見習い 中村 弘峰舁き手 黒葛川 絢一