ホーム > お店とエリア > 近畿エリア(大阪・兵庫・京都・滋賀・奈良・和歌山) > CITY LIGHTS 豊岡 > vol.03 豊岡の食

食と真剣に向き合って、但馬の魅力を伝えたい。

EAT FOOD&COFFEE +Wine 西浦 優史さん

にしうら ゆうじ
1985年、兵庫県豊岡市生まれ。高校卒業後、料理人を志して神戸にある料理専門学校へ進学。卒業後は地元へ戻り、豊岡市のフレンチレストラン「アミタ」や養父市の「TANIGAKI」、豊岡市の「ウルフダイナー」で料理経験を積む。その後独立し、「EAT FOOD&COFFEE +Wine」を2018年6月にオープン。

西浦 優史さん

料理も食材も、結局はつくり手の思いがすべて。

西浦 優史さん

——2018年6月にオープンした西浦さんのお店「EAT FOOD&Coffee +Wine」は、イタリア料理をベースにフランスやギリシャ、オーストラリアなど様々な国の料理の要素を取り入れたミクスチャーな一皿を提供されているそうですね。そして、地元の食材を積極的に取り入れ、地産地消を体現したスタイルにこだわっているとも。そこに至ったこれまでの経緯を教えてください。

西浦 小学2年生の時に『料理の鉄人』を見て料理人になると決め(笑)、高校卒業後は神戸の料理専門学校に進学したんです。卒業後は地元・豊岡に戻り、いろんなお店で働かせてもらったんですが、その中でも養父市にある「TANIGAKI」で働いた経験が今に繋がる一番のきっかけです。

料理イメージ

——そのお店ではどんな経験をされたんですか?

西浦 「TANIGAKI」は居酒屋さんなんですが、地元の生産者さんとの関係をすごく大切にされていて、食を通して但馬の魅力を発信されているお店なんです。ここで働いていた時に生産者さんと話したり、現場(圃場など)に行かせていただいただいたり、というのを何度も繰り返したことで、地元食材のよさを再認識したというか。たまに生産者さんが育てられた野菜などを調理してその場で食べてもらうと、「こんな形で出してもらえたらうれしい」なんて言われると、やっぱりアガっちゃいますよね(笑)。生産者の顔が見える食材が使えるのは、やっぱりいいなーって。生産者さんの思いを料理という形で伝えたいなと思い始めたのはそこからですね。

——今、西浦さんのお店では、有機農法で野菜を栽培される出石町の中務ファームさんをはじめ、地元の食材を使われていますが、豊岡の食材のよさはどんなところですか?

西浦 例えば、苦みがあるものはそれがしっかりとがっていたり、甘みがあるものはすごく甘かったりと、味がはっきしていて個性がきちんとあることでしょうか。中務ファームさんをはじめ、自然農法などをやってらっしゃる方も多いので、人参一つをとっても、その人によって味が全然違うんです。それが面白いなあと思いますね。生産者さんたちがこだわって育てられているので、伝えたいこともたくさんあるから、それが食材にも表現されているんだと思うんです。僕自身はその圃場の栽培方法や管理に魅かれるというより、その人が育てているから、その野菜を使いたいという思いの方が強いんです。食材もそうですけど、その人を好きにならないと、伝えるものもうまく伝えられないので。人を好きになって、なおさらその人の育てている食材だから絶対いいに違いないという信頼感があるんですよ。

中務ファームと地元食材

食を通じて若い人たちの誇りや希望になる街へ。

——お店のスタイルもユニークですよね。朝10時から夜10時までと途中2時間ほど休憩はあるものの営業時間が長いし、お子さんを連れたママから大学生のカップル、夜はグループ客もいれば一人で静かにワインを楽しむ方もいらっしゃって。

西浦 主婦の方ならお子さんが帰宅する夕方頃までゆっくりとコーヒーを飲んで過ごせて、夜は仕事帰りの人が地元の食材を使った料理とワインを楽しんでもらいたい。朝、昼、夕方、夜と、お客さんが自分の好きな時間に自分の好きなスタイルでくつろぎに来れるような空間を作りたいと以前から考えていたので。まちのコミュニティスペースのような存在になれたらうれしいですね。

昼間のお店イメージ
メニューイメージ

——しかも固定のメニューが決まっていないというのも面白いです。

西浦 ここに来る前は田舎に行くからゆっくりした時間が持てると思ってたんですが、来たら全く逆で、いい意味で忙しい(笑)。仕事は17時に終わるけれど、地域の付き合いがあるんです。祭りもあれば学校のPTA、消防団もあり、移住してきた人は付き合いの多さに苦労する人もいるかもしれません。けれど私は接客業をしてきたこともあって人と話をするのが好きだし、話してその人の人生に触れることができるのが何より楽しい。最初は田舎暮らしをして子供たちとワイワイキャーキャーしようと思っていたら、今は地域のコミュニティにどっぷり入って、まちの人たちとワイワイキャーキャーしています(笑)。でも、そうすることで自分が暮らすまちの骨格が見えてくるんですよ。都会に住んでいれば隣に暮らす人がどんな人かもわからなかったけれど、ここではみんな顔見知りだし、多忙だけれど、心の中はゆったり暮らしているな、と思います。

お店イメージ

——豊岡という街にEATのような革新的な新しいお店ができたことで、楽しいことがいろいろ増えそうな予感がします。

西浦 僕は今ちょうど30代なんですが、同級生も地元に帰ってきてお店をやっている人も多くて。そんな仲間たちと「何か楽しいことをしようや。イベントとかいっぱいできたらいいな」といった話はよくしています。店を開いてからも積極的にイベントも参加しているんですが、特に中学生や高校生といった若い人たちに食の楽しさや、食を通して地元のよさをどんどん伝えていきたいです。「地元に帰ってきても楽しいことをしているんだ」「飲食っていいな」なんて、思ってもらえるようにね。そしてもう一度、人を但馬に呼べるようにしていくのが僕の夢ですね。

EAT FOOD&COFFEE +Wineイメージ

EAT FOOD&COFFEE +Wine

イタリアンをベースにフレンチや様々な国のエッセンスを取り入れた料理を提供。出石の中務ファームをはじめ、地元食材を積極的に取り入れ、生産者の食材への思いを一皿に込めて届けている。
兵庫県豊岡市正法寺672-1 
Tel:0796-23-1103
≫ Facebook