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ワインボトルの栓はどんな種類があるの?

ワインボトルの絵を描いてみてください。と言われたら、栓の部分をどんな風に描きますか?
多くの方が描くのがやっぱりコルク栓ですよね!しかし、実際のワインボトルを見てみると、意外にもコルクだけに限らず、様々な栓やキャップが使われています。
ここでは、ワインに使われている栓の種類についてご紹介します。

ワインボトルの栓はどんな種類があるの?

ワインに使われているコルク栓の種類とは

ワインの栓といえば、定番はやっぱりコルク栓。ひとくちにコルクといっても、実はいくつもの種類が存在しています。

ワインボトルの栓はどんな種類があるの?

天然コルク

天然コルクは、コルク樫の木からとれる素材でできています。まるでスポンジのような、人工物のような独特の質感をしているコルクですが、実はコルク樫の樹皮なんです。

縦方向に円筒型にくり抜き、形をととのえると天然コルク栓のできあがり。高級ワインには木目が細かく、長いものが使用されています。天然もので、上質なコルクをとるためには、10年以上コルク樫の成長を待つ必要があるため、最近では質の良いコルク栓の調達が難しくなってきています。

圧搾(あっさく)コルク

天然コルクを打ち抜いた残りの部分のコルクをより粒状に細かくして、コルクの形に固めたものです。コルク特有の木目は楽しめませんが、天然コルクと違い品質を安定させることができ、価格が安いのが特長です。基本的に長期熟成のワインには使用されません。

一部天然・一部圧搾コルク

真ん中に圧搾したコルクを、その両端に天然コルクを使用したものです。
天然コルクのような外観を持ちながら、圧搾コルクの手軽な価格と安定した品質で量産できるという、両方の良いとこ取りのタイプです。

合成コルク

樹脂製コルクと呼ばれることもある、プラスティックから作られる栓です。カジュアルな価格のワインに多く使用されています。

密閉性が高いため、開け方に少しコツがいるのがこのプラスチックコルク。ワインオープナーよりは、ソムリエナイフがあると開けやすいので、持っていれば試してみてくださいね。

スパークリングワイン用のコルク

密度が高い重めのコルクでできています。きのこ型を想像するかもしれませんが、もともとはきのこ型ではありません。円筒型のコルク栓を機械でボトルにさしこむ時、コルクがくびれてきのこ型になっていくのです。

そのため、ボトルの口との密着性は抜群。スパークリングワインのガスに内側から押されるので、通常はコルクを固定するワイヤーとセットで使用されています。

ワインに使われているその他の栓とは

ワインボトルの栓はどんな種類があるの?

ワインには、コルク以外で栓をしているものもあります。ワインオープナーを持っていなくても開けられるので、気軽に飲めるワインとしておすすめです!

スクリューキャップ

ペットボトルのキャップのように溝が入れられており、くるくる回して開け閉めするタイプです。ワインオープナーなしで開けられるうえ、何回でも開閉できるので使い勝手が良いのが魅力です。

キャップの長さはロングタイプからショートタイプまであり、保存の時もボトルを横に寝かす必要がありません。

ところで、なんとなく「コルク栓が使われているほうが高いワイン」というイメージを持っていないでしょうか。近年はコルクの希少性が高まってきたことと、スクリューキャップがワイン保存に最適なことから、高級ワインでもスクリューキャップを採用するようになっていることもあるんですよ。

使い方は簡単ですが、最初の開け方は少しコツがいります。ボトルの底とキャップを持ち、ボトル側を回して開けるのが正しい開け方です。キャップ側を回して開けようとすると、力を入れてもなかなか開けられないので注意してくださいね。

ガラス栓

スクリューキャップと同様、コルクの消費を抑えようというエコな観点から広まりつつあるキャップです。ガラス製で、ドイツを中心に浸透してきています。

イメージはコルク栓のガラスバージョンといったところで、開け閉めが簡単にできるのが特長です。ワインオープナーなどの特別な道具を使わずに開けられるうえ、コルク臭さがないのも人気の理由です。

本場ではヴィノ・ロックと呼ばれています。まだまだ日本ではお目にかかれる機会が少ないのですが、見た時に「ああ、ヴィノ・ロックを使ってるんだね」なんて言うと、ワイン通な印象を持ってもらえるかもしれませんよ!

なぜワインの栓はコルクが多く使用されてるの?

ワインボトルの栓はどんな種類があるの?

ワインの栓にコルクが使われることが多いのは、ワインが他のお酒と比べて酸を多く含んでいる点に関係しています。コルクは酸に強い性質を持っているうえ、気密性が高くて弾力性と復元力にもすぐれているので、ワインの品質を守るにはぴったりの素材なんです。

コルクの乾燥や瓶の口元破損防止にキャップも使用される

販売されているワインを見ると、コルク栓の上にカバーがつけられていますが、これは何か知っていますか?

キャップシールと呼ばれるこのカバーは、多くの場合アルミやプラスチックでできています。ちょっとおしゃれなワインだと、蝋で封をされているのもあって、キャップシールの種類の違いを見るだけでも楽しいですよ。

ちいさな穴が開いているように見えますが、これはキャップシールを付ける際に空気抜き用となる穴です。開栓しやすくするための規則的に開けられた穴もあります。

キャップシールの開け方は上部だけを取り除く方もいれば、全部はがしてしまう方もいるようです。どちらでも良いのですが、「全部取り除くのは面倒だけど、ワインが垂れるのも嫌」という方には、ボトルの口のでっぱりのすぐ下で切り取る方法がおすすめです。

まとめ

ワインはボトルの形や色、ラベル(エチケット)それぞれに意味を持っていて、眺めるだけでも楽しめます。あまり気に止められない栓も、実は様々な種類があって面白いんですよ。

主流のコルクだけでも天然もの、加工ものがありますし、近年ではスクリューキャップの栓も浸透しつつあります。栓の違いもぜひワインを楽しむ要素に加えてみてくださいね。

ちなみに、ワインを楽しむ時には必ず訪れるのが栓を開ける瞬間ですが、意外に難しいのをご存知でしょうか。

すっきりかっこよくワインボトルを開けるための方法を別ページでご紹介しています。ぜひ参考にしてみてくださいね!