いつもお世話になっている祖父母のために、今年の敬老の日にはおいしいワインをプレゼントしてみませんか?一緒に料理を囲み、楽しくワインで乾杯。賑やかな雰囲気においしいワインが合わさって、みんな思わず笑顔になる。そんな素敵な一日をワインと一緒に贈りましょう。今回は、敬老の日におすすめのワインをご紹介します。
目次
ワインの味わいを表現する8つの要素とは
まずは、テイスティングコメントでワインの味わいを表現する方法として、次の8つの要素をご紹介します。他にも味わいを表現する要素はありますが、まずは基本を学びましょう。
・アタック(口に含んだ第一印象)
・甘味(甘味・果実味の程度、アルコールのボリューム感)
・苦味(苦みの強弱、質)
・フレーバー(ワインの香味・風味、果実味)
・ボディ(ワインの重み、コク)
・余韻(ワインの香味がとどまる時間、持続性)
味わいと言っても、味覚だけでなく、嗅覚や触覚なども使った表現をすることがポイントです。慣れてくると味わいのテイスティングコメントから、ワインの産地や気候風土、ワインのポテンシャル、ワインそのものの価値まで推測できるようになってきますよ。
ワインの表現方法、アタックとは
アタックとは、ワインを口に含んだ第一印象を表す言葉で、ワインの強弱を表現します。例えば、さわやかなアタック、心地良いアタック、豊かなアタック、インパクトのあるアタックなどと表現します。知らないと戸惑ってしまうかもしれないワインの専門用語ですが、「第一印象を表す」と知っていればイメージしやすい表現かもしれません。
ワインの甘味の表現方法
ワインは糖分が豊富なブドウが原料なので、甘味の表現が大事になります。ワインの甘味の表現方法として、まずは甘口・辛口という切り口をご紹介します。
甘さの程度によって、次のようにさらに細かく分けられます。白ワインやロゼワイン、スパークリングワインのラベルに記載されていることも多いので、目にしたこともあるのではないでしょうか。
極辛口
糖度が一番低く甘味がないワイン
辛口
甘みがほとんどないワイン
中辛口もしくはやや辛口
どちらかというと辛口のワイン
中甘口もしくはやや甘口
どちらかというと甘口のワイン。甘ったるさはないほんのりとした甘さ。
甘口
甘さがしっかりとしたワイン。一般的な甘いワインは甘口になる。
極甘口
糖度が一番高く、しっかりと甘いワイン。デザートワインなど。
ワインは発酵が進むにつれて、糖分がアルコール分解されて辛口になっていきます。ですから、甘口ワインを造るためには、発酵が進まないうちに発酵を停止して糖分を多く残るようにするか、糖度の高いブドウを使ってワインを造ることが必要です。逆に発酵を進めたワインは辛口のワインとなります。
スパークリングワインについては、上記の理由に加えて、後から糖分を補うという工程があるので、その量によって甘味が決まります。
その他にも、アルコール度数が高いとワインにボリュームを感じて、後口に甘さを感じます。フルーツのフレーバーが強い場合にも、後口に甘味を感じます。
甘口、辛口以外の甘味の表現方法もおさえておきましょう。たくさんあるので、あくまでも一例の紹介ですが、ドライな甘味、やわらかな甘味、濃厚な甘味、蜜のような甘味、なめらかな甘味、豊かな甘味、ねっとりとした甘味などの伝え方もあります。赤ワイン、白ワイン、ロゼワイン、スパークリングワインのいずれのタイプでも使える表現です。
ワインの苦味・渋味の表現方法
ワインを表現する別の方法として苦味と渋味があります。渋味を味わうことができるのは、主に赤ワインで、赤ワインの味を構成する重要な要素です。濃く入れたお茶やさめた紅茶を想像すると渋味がイメージできるでしょうか。
苦味については、赤ワインに限らず白ワインやロゼワインでも感じられます。少し想像しにくいかもしれませんが、ワインでは苦くてどうにもならないというような意味で使われることはあまりなく、一般的には「心地良い苦味」を指します。
苦味と渋味の正体は、ブドウの種や皮に含まれるタンニンという成分。タンニンが多く入っているワインはどちらの味も同時に味わうことができるでしょう。
苦味や渋味を表現する際には、生地の肌触りに例えて「ビロードのような」とか「シルクのような」といった表現を使うことがあります。また、ストレートに「なめらかな」という風に表現することもあります。
これは、味を表現する言葉というよりも触った感じを表現する言葉ですよね。どうしてそういう風に表現するかというと、苦味や渋味といったものが味覚よりも、触覚に近いからです。
シルクのような
なめらかな舌触りのワイン。ビロードのようなワインよりも軽やかな舌触り。
ビロードのような
熟成が進んで、よりきめ細やかな極上ワインによく用いられる表現。
その他に、舌がざらつくような感覚を「荒々しい」、口の中が乾いて少し引っ張られるような引きつった状態を「収斂性(しゅうれんせい)のある」と表現したりもします。
ワインの酸味の表現方法
酸味もワインの味わいの個性を決める重要な要素の1つです。
ワインの酸味は、ブドウに含まれている酒石酸とリンゴ酸によりもたらされるブドウ本来の酸味と、マロラクティック発酵によりもたらされるものに大きく分けられます。
マロラクティック発酵とは、乳酸菌の働きでリンゴ酸を乳酸に変化させるもので、赤ワインと白ワインの一部で行われます。ワインの酸味がよりまろやかになる効果があります。
ワインの酸味については、酸味の強さによって「酸が高い」とか「酸っぱい」「味気ない」といった表現を用います。
ワインは酸味が強すぎると「酸っぱい」おいしくないワインになりますし、逆に酸味が少なすぎると「味気ない」ワインになります。甘味と酸味どちらも大切で、バランスの取れたワインがおいしいワインということですね。
なお、南の産地は、タップリとしておだやかな酸、北の産地はシャープで切れのある、生き生きとしてフレッシュな酸と表現されることが多いです。
ワインのフレーバー・ボディ・余韻の表現方法
フレーバーとは、口中に広がる香りのことです。鼻から嗅ぐ香りとはまた違い、口の中から鼻に抜けていく香りといえば、イメージできるでしょうか。ワインの香味や風味を表現します。ブドウ品種に由来するものや発酵や熟成中に造られるものがあります。フレーバーの1つとして、果実味(フルーツ)があります。
チャーミングな、軽快な、フレッシュな、濃縮したなどの表現が使われます。その他に、ヴェジェタル、スパイシー、フローラルなどのフレーバーの伝え方も。これらのフレーバーが弱い、中程度、はっきりと強いなどと表現されます。
次に、ワインのボディについてみていきましょう。ワインの重みやコクを表す表現で、ライトボディ、ミディアムボディ、フルボディという分類があります。その他にもスリムなボディ、がっしりとしたボディ、グラマーなボディといった表現をします。
最後に、ワインを飲んだ後に残る風味、余韻についてお伝えします。ワインの印象を左右する大切な要素です。余韻の持続性を秒数で表現することもあります。短めは3~4秒、中程度は5~6秒、やや長めは7~8秒、そして長めは9秒以上です。少し意識してみてはいかがでしょうか。
まとめ
ワインを表現する方法についてお伝えしました。ワインの味わいを表現する方法としては、大きくアタック、甘味、酸味、苦味、渋味、フレーバー、ボディ、余韻の8つがあります。
ワインの表現方法は幅広く、奥も深いので、まずは今回お伝えしたような表現があることを頭の隅にでも良いので、入れておいてください。きっとワインを選ぶ時に役に立ってくれて、ワインの楽しみ方が広がるはずです。