CULTURE

製法を知ってワインをよりおいしく

普段、何気なく飲んでいるワイン。どのようにして製造されるのか。なぜ赤ワインは赤く、白ワインは白いのか。その謎にお答えします。

赤ワインと白ワインの製法の違いとは

赤ワインと白ワインの製法の違いとは

赤ワインと白ワインの決定的な違いは、言うまでもなくワインの色にあります。赤ワインは黒い皮のブドウ、黒ブドウから、白ワインは薄いピンクや緑色の皮の白ブドウから造られます。

赤ワインは黒ブドウのつぶした皮や種も一緒に漬け込んで発酵させるため、その成分が抽出されて、赤ワインの色の元とタンニンを生み出します。

皮に含まれている赤い色素がワインに抽出されて赤ワインとなるのです。その後、皮や種は取り除かれます。

白ワインは先に絞り出した果汁だけを発酵させるため、ブドウの皮の色は影響しません。通常は白ブドウの果汁を使いますが、まれに黒ブドウを使うこともあります。その場合は、黒ブドウに含まれる色素を抽出しないように絞ります。

シャンパーニュ地方の黒ブドウ、ピノ・ノワールが白のシャンパンを生み出すのもその一つですね。

白ワイン、赤ワインとも発酵した果汁はその後、ステンレスタンクやオーク樽での熟成を経て、瓶詰めされ、出荷の時を待ちます。

ロゼワインの製法を知る

ではロゼワインはどのようにしてできるのでしょうか。代表的な製法は3つあります。

・セニエ法
途中まで赤ワインを造るようにつぶした黒ブドウの皮も種も一緒に漬け込みます。その途中で、果汁がちょうどいい色合いになった時に、皮などと果汁を分離させ、引き続き果汁を発酵させる方法です。

・直接圧搾法
黒ブドウを使って途中まで白ワインの造り方をする製法です。白ワインのようにブドウをつぶして果汁を絞る際に、皮から色素が若干出てロゼ色になるのです。

・混醸法
黒ブドウと白ブドウを混ぜてから発酵させる方法です。

一般的には、スパークリングワイン以外は赤ワインと白ワインを混ぜてロゼワインを造ることを認めていない国が多いです。

スパークリングワインの製法を知る

スパークリングワインの製法を知る

スパークリングワインの代表的な製法3つをここでは紹介します。

・トラディショナル方式
まずは通常のワインを造り、瓶詰めします。その後、瓶の中に糖分と酵母を入れて、密閉して、もう一度瓶内でアルコール発酵をさせます(二次発酵)。

アルコール発酵とは酵母が糖分を分解して、アルコールと二酸化炭素を発生させること。この活動を利用した製法です。

ふたをした瓶の中でアルコール発酵をさせると、行き場を失った二酸化炭素はワイン液体中に溶け込み、泡となるのです。

別名シャンパーニュ方式と呼ばれ、スパークリングワインづくりの中で最も手間暇がかかる製法です。フランスのシャンパンの他、ドイツのフラシェンゲールング、イタリアのメトド・クラシコ、スペインのカバなどがこの方式で造られています。

・シャルマ方式
トラディショナル方式を大きなタンクで行う方法です。通常のワインを大きなタンクに開け、糖分と酵母を加えて密閉して、二次発酵を起こさせます。

一度にたくさん製造できるためコストは抑えられます。また空気に接触しないので、ブドウのアロマが残るというメリットもあります。ちなみに、シャルマとは、この製法の発案者の名前だそうです。

・トランスファー方式
トラディショナル方式を途中から大きいタンクで行うものです。二次発酵を終えた泡を含んだワインを加圧下(泡が保たれるため)の大きいタンクに開け、冷却、ろ過を行い再度瓶詰めする方式です。トラディショナル方式の手間がかかるところをタンクで行う方法といえます。

まとめ

ひとくちにワインといってもさまざまな方法があるものです。製造方法を知ると、味の違いを知るヒントとなります。気になったら、ワイナリーや輸入元のホームページで一度調べてみるのもいいですね。

◆リンク
サッポロビールのワイン情報
http://www.sapporobeer.jp/product/wine/index.php