CULTURE

テーブルワインとは?ハウスワインとの違いについて

フランス料理などの高級料理のお供や、大人の嗜みとして…敷居が高いイメージのあるワインは、次第に一般家庭や若い世代にも広まっていき、今やどこでもワインを気軽に楽しめるようなものになりました。

しかし、「テーブルワイン」「デイリーワイン」「ハウスワイン」といった表記に戸惑うワイン初心者の方も多いのではないでしょうか。

よく見かけるこれらのワインの名称について「結局、何なの?」と悩んでいる方へ、ここではテーブルワインなど各表記について解説します。失敗しない選び方のコツについてもご紹介しますね!

テーブルワインとは?ハウスワインとの違いについて

テーブルワインって何?

テーブルワインは、EU加盟国のワイン法で明確に定義されている分類の1つで、地理的表示のないワインをさします。

EU加盟国のワイン法では、畑まで特定されているようなワインが最上位にランク付けされます。その範囲が広くなればなるほど、ランクは下がります。出自があきらかなワインほど評価が高いという仕組みです。テーブルワインは、地理的表示がないワインなので、ピラミッドでいえば、一番下に位置します。とはいえ、品質が高いものや値段が高いワインもたくさんあり、見逃せないカテゴリーです。

■フランスのテーブルワイン

フランスでは、テーブルワインをそのままフランス語にした「ヴァン・ド・ターブル(テーブルワイン)」の名で親しまれています。1935年に制定されたフランスワイン法でフランス産のワインが4つのランクに分類されましたが、テーブルワインはその4番目、一番下位として、名実ともに認められた身近な存在です。

原料となるブドウの品種や醸造法について、厳しく定められていることの多いフランスワインの中では、比較的それらの規制が緩く、ワイナリーごとの個性を味わえます。

フランスワインの4割を占めているのは、実はこのテーブルワイン。中には品質の低いものもありますが、日本では珍しい面白いワインやコスパの高いアイテムと出会える可能性もあります。

■イタリアのテーブルワイン

VdTのランク付けがされているものが、イタリアでいうテーブルワインにあたります。

VdTは、ピンからキリまであります。中には希少でより高い基準が設けられているDOCやDOCGよりも高級なワインも含まれており、運次第で「あたり」に出会えることもあります。

■ドイツのテーブルワイン

ドイツ国内のブドウでのみ製造されたワインはドイチャーヴァイン、輸入ブドウ果汁のワインはEUヴァインと呼ばれています。

■日本のテーブルワイン

日本にはテーブルワインに明確な定義はありません。テーブルワインがデイリーワインとほぼ同じ意味で使われることが多いです。デイリーワインについても明確な定義があるわけではありませんが、毎日飲むことが出来るクセのないワイン、もしくは飽きのこない味で低価格が特徴のワインとして使われています。

なお、日本で使われるテーブルワインは、主菜と合わせて飲むワインのことを指しています。その名称から、食前酒も含まれるように感じるかもしれませんが、実際にテーブルワインには含まれません。

食前酒として出されることが多く、甘みのあるアロマタイズドワイン(フレーバーワイン)や、酒精強化ワインに対し、食事中に飲むテーブルワインは辛口傾向にあるものが選ばれます。

テーブルワインはハウスワインと同じじゃない?

テーブルワインとは?ハウスワインとの違いについて

レストランでは、ハウスワインの表記でワインを置いていることがあるのを、見たことはありませんか?これではまたテーブルワインやデイリーワインとの違いに迷ってしまう方も多いでしょう。

ハウスワインというのは、『お店のいちおしワイン』のこと。特定のワインを指すものではなく、お店ごとに異なります。

お店によってボトルで出す場合と、カジュアルにグラスで出してくれる場合もあるので、注文する際は確認するのを忘れずに!

 

おいしいテーブルワインを選ぶコツ

テーブルワインとは?ハウスワインとの違いについて

EU加盟国のワイン法分類のテーブルワインに該当するものは、安くておいしいものも見つかれば、安い以外のメリットがないものに当たることもあります。

どうせなら、安くておいしいテーブルワインに出会いたいですよね!おいしいテーブルワインの選び方は、何本も飲んで(体験して)自分に合うものを見つけていく方法が確実です。

ひとつの目安として、だいたい1,000円台のワインを中心に試してみると良いでしょう。

たとえば、1,000円台の赤ワインは酸味や渋みがそれほど強くないうえ、ちょっとした甘味がある、万人ウケする味をしているものが多いです。濃さもある程度感じられるので、赤ワインらしい飲み応えを体験できます。

1,000円という価格帯は、複雑性よりも分かりやすい味を求めるのにちょうど良い目安です。ワイン市場でも重要視されているのは、1,000円前後のワインなんですよ!

以下にて、おすすめのテーブルワインをご紹介していきます。

テーブルワインとは?ハウスワインとの違いについて

・フランス

テーブルワインとは?ハウスワインとの違いについて

リステル カベルネ・ソーヴィニヨン (参考小売価格:1,200円)

南フランスの地中海沿岸のワイナリーが手がける、砂地の土壌で除草剤を使用しないで育てているブドウを使用した赤ワイン。ブラックベリーの香りと深みのある果実味の余韻を長く楽しめます。

 

 

 

 

 

テーブルワインとは?ハウスワインとの違いについて

リステル シャルドネ (参考小売価格:1,200円)

シャルドネ種100%を使用。広大な敷地で最先端の技術を導入したワイナリーにて一貫生産されています。軽いバニラのような香りで辛口の白ワインです。

 

・イタリア

テーブルワインとは?ハウスワインとの違いについて

モダヴィン サルシターノ・ヴィーノ・ロッソ<赤> (参考小売価格: 650円)

サンジョヴェーゼ種とモンテプルチアーノ種でブレンドされたワイン。赤ワインで、スッキリとしたフレッシュな味です。

 

 

 

 

 

テーブルワインとは?ハウスワインとの違いについて

モダヴィン サルシターノ・ヴィーノ・ビアンコ<白> (参考小売価格:650円)

フルーティな味わいの白ワイン。やや辛口ですが飲みやすく、魚料理などにもよく合うワインです。

 

・ドイツ

テーブルワインとは?ハウスワインとの違いについて

ラングート エルベン・シュペートレーゼ (参考小売価格:1,200円)

酸味とアロマのバランスの良さが引き立つ味わいです。
白ワインのやや甘口ですが、肉料理にも合う珠玉のワインです。

・日本

※日本ではデイリーワインの考え方に沿って、初心者向けに1000円台の値段で選びました。

 

テーブルワインとは?ハウスワインとの違いについて

グランポレール エスプリ ド ヴァン ジャポネ 絢-AYA-  
(参考小売価格: 1,500円)

山梨県産のマスカットベーリーA種を主体としたワイン。日本ワイン独特の繊細な味わいで和食にも合う赤ワインです。ライトボディで飲みやすく程よい酸味も楽しめます。

 

 

 

 

テーブルワインとは?ハウスワインとの違いについて

グランポレール エスプリ ド ヴァン ジャポネ 泉-SEN-
 (参考小売価格: 1,500円)

山梨県産と岡山県産のマスカットをブレンドした白ワイン。やや辛口でほのかに渋みも感じられる大人のワインです。日常の食卓のお供にお楽しみください。

※ワインについては、記事掲載時点での情報です。

 

 

まとめ

テーブルワインとは、製造するブドウの品種や産地表記がなく、日常的に楽しめる安くて大衆向けのワインのことです。国ごとに特長が異なるので、飲み比べてみるのも面白いでしょう。日本では、デイリーワインと表記されているものもありますが、定義としてはほぼ同じです。
1,000円台のワインなら、当たりも見つかりやすくおすすめ。いろいろ試して、自分だけのお気に入りの一本を見つけてくださいね。