CULTURE

シラーズのワインを飲んでみよう!主な産地とおすすめワイン

ポリフェノールが多く含まれていることから、美容や健康のため好む人が多い赤ワイン。赤ワインにもいろいろな種類がありますが、選ぶワインのブドウ品種によって香り、味わいは大きく異なります。

ここでは、ブドウ品種の中でもシラーズ種のワインの特長と相性のいい料理について解説しますので、ワイン選びの参考にしてみてくださいね。

シラーズのワインを飲んでみよう!主な産地とおすすめワイン

 

シラーズのワインはどんなワイン?

赤ワインに用いられるブドウの中でも、代表的な品種の1つがシラーズ種です。シラーズ種と聞いた時に、シラー種ではないの?と思われた方もいるかもしれません。よく似た品種名で、違いについて気になりますよね。

■シラーズとシラーの違い

混乱を招くことが多いシラーズ種(SHIRAZ)とシラー種(SYRAH)ですが、両者は基本的には同一品種です。

シラーズ種というのは、主にオーストラリアでの呼び方。原産地のフランスではシラー種と呼ばれています。

オーストラリアにシラー種が持ち込まれたのは19世紀前半。それから現在に至るまで、すでに200年近く経っていますから、いくら同一品種とはいえ、オーストラリアのシラーズ種が土地や気候に合わせて変化してきたことは否定できません。

■シラーズ(シラー)の基本情報

シラーズ種(シラー種)は、栽培面積が世界で第6位と近年人気が高まっているブドウ品種です。単一品種でも、その他のブドウとブレンドしてもおいしくいただけることが人気の理由の1つといえるでしょう。

また、シラーズ種はブドウの品種の中でも耐性が強いため、さまざまな気候条件のもとでも栽培が可能です。これもシラーズ種の人気が高まっている理由の1つです。

シラーズ種のワインは、黒胡椒のようなスパイシーな香りが特長的。ブラックベリー、ブラックチェリーなど黒い果実のアロマと、香辛料やなめし皮とも表現される野性的な香りがあります。また、色が濃く、アルコール度も高めの骨格がしっかりとしたワインです。スパイシーなので個性的ではありますが、なめらかな渋みで上品さも併せもつワインともいえます。

フランスのローヌ地方では、シラー種に少し白ブドウを混ぜることで、花の香りのするほんのりフローラルなワインを造ってきました。近年ではこの製法がオーストラリアでも取り入れられるようになってきています。

シラーとシラーズの産地

シラーズのワインを飲んでみよう!主な産地とおすすめワイン

シラーズ種、もしくはシラー種の代表的な産地は、フランスとオーストラリアです。ほかにもアメリカ合衆国やチリ、アルゼンチン、ニュージーランド、イタリアといった国々でも栽培されています。

シラーズ種で造られたワインは、産地によって異なる特長を生み出します。では、ここから2大産地のフランス、オーストラリア含め、6ヵ国のシラー種の特長をご紹介します。なんと、日本でもシラー種のワインが少量造られています。

■フランス(シラー種)

フランスのシラー種は、ローヌ地方が原産地です。近年の遺伝子解析により、ピノ・ノワールの品種から造られたともいわれています。シラー種のブドウが造られる土地は、ローヌ地方北部の岩だらけの急斜面。夏は暑く、冬は寒い気候条件の厳しい中で栽培されます。

ローヌ地方で栽培されたシラー種から造られたワインは、黒胡椒の風味が強く表れるパワフルなワイン。タンニンが多くスパイシーであるけれども上品でエレガントという繊細な仕上がりになります。プラムやオリーブの香りが特長的です。

■オーストラリア(シラーズ種)

オーストラリアのシラーズ種は、温暖な気候の下で栽培されます。そのため、厳しい気候条件の下で栽培されたフランス・ローヌ地方のシラー種と違って、熟した果実の味わいが前面にでるワインが造られます。また、なめらかなタンニンが特長です。ブルーベリーやブラックベリーのような甘みのある香りがします。

■イタリア

シラーズのワインを飲んでみよう!主な産地とおすすめワイン

ワインの産地として有名なイタリアでもシラーズ種は栽培されています。特に高品質のシラーズ種のワインが造られているのは、シチリアやキャンティの産地として有名なトスカーナです。

トスカーナはフランス・ローヌ地方と比べて若干温暖ですが、コルトーナ地区やモンテプルチャーノ地区といった地域は冷涼で造られるワインは、酸味、甘味、タンニンのバランスが取れています。

■ニュージーランド

ニュージーランドでは、北島のホークス・ベイ地方ワイヘキ島でシラーズ種は栽培されています。ホークス・ベイ地方はニュージーランドのワインが栽培されている地域の中でも温暖で空気が乾燥しているためシラーズ種の栽培にぴったりの地区。ニュージーランドのシラーズ種の約70%は、この地区で栽培されています。

ニュージーランドワインといえばピノ・ノワールやソーヴィニヨン・ブランが有名ですが、シラーズ種もそれらに引けを取りません。スパイスやダークチェリーを思わせるようなアロマと、洗練された味わいのワインを楽しめます。

■アメリカ

シラーズのワインを飲んでみよう!主な産地とおすすめワイン

アメリカのシラー種は、カリフォルニア州とワシントン州で栽培されています。地中海性気候に恵まれているカリフォルニア州でワイン栽培が盛んなことは有名ですが、ワシントン州もカリフォルニア州に次いでワインの生産量が多い州です。

ワシントン州はカリフォルニア州と比較して夏の日照時間が2時間長く、昼と夜の寒暖差が大きいのでワイン造りに適しています。ワシントン州のシラーズ種は、ベリーやカシスなどのアロマを放ち、バランスの良い酸味を備えた複雑な味わいに仕上がります。

■チリ

高品質でコスパの良いワインを生産するチリでは、シラーズ種の栽培も盛んです。南北に細長いチリは地中海性気候で、ブドウの収穫時期の春~秋まではほとんど雨が降らないため、ワイン造りに恵まれた気候条件がそろっています。

チリの最北部にあり冷涼なエルキ・ヴァレーではエレガントなワインが、温暖な中部のコルチャグア・ヴァレーではパンチの効いたワインが造られています。産地によって変化を楽しめるのもチリ産のシラーズ種の特長です。

■日本

実は日本国内でもシラーズ種の栽培に成功しており、特に長野の標高が高い地域や安曇池田で栽培されたシラー種は注目されています。北アルプスの清涼な風と類稀な土壌がシラー種栽培の条件を満たし、素晴らしいシラーワイン造りに繋がっています。限定品が多く市場では余り見かけることがありませんが、一度は試してみたいワインですね。

日本産のシラーズ種のワインは、フルーティな香りとスパイスの香り、程良いタンニンが味わえるバランスの良さが魅力です。

シラーとシラーズのおすすめワインと相性の良い料理5選!

シラー種、またシラーズ種のワインをお試ししたい方に、おすすめのワインをご紹介します。どんな料理と合わせたら良いのか、相性の良い料理をあわせてお伝えしますので、参考にしてみてくださいね。

M.シャプティエ クローズ エルミタージュ レ・メゾニエ ビオ(フランス・シラー)参考小売価格:税抜3,800円

世界的なワインの権威、ロバート・パーカー氏によるパーカーポイントの100点満点を40回以上も獲得している名手M.シャプティエが作る人気銘柄。

濃厚なタンニンとブラック系の果実、それにフローラルな香りが楽しめる、濃厚さの中にエレガントさを持った赤ワインです。高品質の赤ワインを味わいたい方におすすめです。

 

 

 

 

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カマンベールチーズと相性が良く、よりチーズにこだわりたい方にはチーズ専門店で手に入る「リゴット・ド・コンドリュ」や「サン・マルセラン」のチーズがおすすめ。

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[イエローテイル]シラーズ(オーストラリア・シラーズ)参考小売価格:1,007円220[イエローテイル]シラーズG01外観
シラーズ初体験の方にぜひおすすめしたい1本。オーストラリア産のシラーズ種だけを使ってつくられた赤ワイン。

完熟した果実のみを収穫してつくられたこだわりのワインは、豊かな香りと味わいが特長。ベリーとバニラを感じさせるアロマと完熟した黒い果実の味わいが、見事に調和しています。

 

 

 

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バーベキューにぴったりの1本です。お肉を豪快に焼いて、一緒に楽しんでください。

ピーター・レーマン ポートレート・シラーズ(オーストラリア・シラーズ)参考小売価格:税抜2,208円LB99ピーターレーマン・バロッサ・シラーズ・ポートレートG01外観

濃厚な果実のアロマとともに、チョコレートとバニラがほのかに香る赤ワイン。オーストラリア産のシラーズ種を用いているため、タンニンはなめらかで、芳醇な味わいが楽しめます。

 

 

 

 

 

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合わせるなら、オーストラリア産のワインらしく仔羊の骨付きローストが一押しです。

シラーズのワインを飲んでみよう!主な産地とおすすめワイン

ピーター・レーマン ザ・バロッサン シラーズ (オーストラリア・シラーズ)参考小売価格:税抜2,808円バロッサン シラーズ

オーストラリア産のシラーズ種で造られた赤ワイン。”ザ・バロッサン”はこれぞバロッサのワインを意味しています。まさしくバロッサのシラーズの典型を味わうことができます。

同じオーストラリアのシラーズでも凝縮した果実感とともに豊富な酸をもちメリハリのある造り、ピーター・レーマンこだわりの1本。

ダークな果実とチェリー、甘いチョコを想わせる複雑な香りと滑らかで締まりのある舌触りが楽しめます。

 

 

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和牛ステーキやラム、ビーフを使った肉料理に合わせるのがおすすめです。

シラーズのワインを飲んでみよう!主な産地とおすすめワイン

 

グランポレール 安曇野池田 シラー2016(日本・シラー) 参考小売価格:税抜5,008円

長野県の「安曇野池田ヴィンヤード」産シラー種から造られた数量限定の赤ワイン。

黒胡椒のようなスパイスが感じられ、エレガントな果実感にあふれる飲み応えのあるワインです。国産の上質なシラー種のワインを、ぜひ味わってみてください。

 

 

 

 

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ジンギスカン、鴨胸肉のローストとの相性は抜群です。

シラーズのワインを飲んでみよう!主な産地とおすすめワイン

もっとおいしい!シラーズのワインの楽しみ方

シラーズのワインをもっとおいしく飲むために、ワイングラスや合わせる料理にこだわってみましょう。

■よりおいしく飲めるワイングラス

ワイングラスにはさまざまな種類がありますが、シラーズのワインを飲むなら、ボルドータイプかゴルゴーニュタイプを選ぶのがおすすめです。

・ボルドータイプ

シラーズのワインを飲んでみよう!主な産地とおすすめワイン

ボウル部分が卵形で縦長のチューリップのような形をしたワイングラス。一般的なワイングラスよりも大きめに作られており、複雑で多様な香りが直線的に感じられるのが特長です。

・ブルゴーニュタイプ

ボウル部分がボルドータイプよりも丸みがある形状のワイングラス。繊細で華やかな香りをグラスの中に滞留するため、ゆっくりと香りを楽しむことができるのが特長です。

ボルドータイプとブルゴーニュタイプのワイングラスは、どちらも赤ワインの香りを十分に楽しめる形状となっています。

スパイスの香り、黒い果実の深みや凝縮感のある味わいであるシラーズにぴったりといえるでしょう。ワインが舌先に導かれ、凝縮した果実の甘味もしっかり味わえます。

■シラーズとの王道マリアージュ

シラーズのワインを飲んでみよう!主な産地とおすすめワイン

シラーズは赤ワインのなかでも骨格がしっかりとしたパワフルなワインです。そのため、少しクセの強い肉料理とよく合います。

おすすめ料理は以下のとおり。

・ジビエ料理
・鴨のロースト
・スペアリブ

どの料理に合わせるか迷ったら、これらの料理から選ぶと外しません。

■意外性のある料理とのマリアージュ

スパイシーさやダーク系のフルーツのアロマが感じられるシラーズのワインは、スイーツとのマリアージュも楽しめます。

意外に思われるかもしれませんが、よくマッチする料理は以下のとおりです。

・フォアグラ 黒い果実のコンフィ添え
・ブラックベリー3種のフルーツ盛り合わせ
・山羊のチーズとカシスデザート

いつもとは違ったテイストでシラーズを楽しみたい方はお試しください。

※ワインについては、記事掲載時点での情報です。

まとめ

シラーズ種とシラー種のブドウは同一品種であるものの、産地によって味わいや香りの特長が異なります。スパイシーかつ上品で繊細なものがお好みならフランス産のシラー種を、果実味とパワフルな味わいがお好みならオーストラリア産のシラーズ種がおすすめです。また、料理に合わせて産地を変えてみるのも良いですよ。日本産シラー種ワインにもぜひ、挑戦してみてくださいね。「日本でもこんな素晴らしいシラー種のワインができるようになったんだ!」とビックリされると思います。

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