CULTURE

日本で人気がとまらない!チリワインの特長とは

リーズナブルな価格で購入できるチリワインは、品質の高さもあいまって日本でも大人気です。

どうしてそんなにチリワインは安くておいしいの?今回は、その理由をご紹介します。

日本で人気がとまらないチリワインの特長とは

チリワインの安さとおいしさの秘密

チリワインの人気の理由は、何といってもそのコスパの良さ!
他国の輸入ワインには15%の関税がかけられていますが、日本とチリが結んでいるEPA(経済連携協定)によって、チリワインは2019年からなんと関税がゼロに!
そのため安いものならワンコインで買うことができます。

チリの気候

チリ産はお手頃なだけでなく、その品質でも高い評価を受けているワイン。
その大きな理由は、チリ特有の気候にあります。

まず、チリはヨーロッパに比べると雨量が少なく、日照時間の長い国です。 また西は太平洋、東はアンデス山脈からの冷涼な風の影響を受け、「暑くなり過ぎない」というブドウ栽培には欠かせない環境を造り出してくれます。 この環境で育つチリのブドウは、ワイン向きの高品質な熟度の高いものになります。

また、チリのブドウはほとんどが手摘みでの収穫。そのためブドウに傷がつきにくく、かつ収穫時にすでに質の悪いものは避けて収穫することができます。

そして、チリは南北に細長い国なので、各地に様々な気候条件が形成されます。つまり、ブドウ品種それぞれに最適な気候・風土が存在するということ。

最適な土地で、ブドウ品種の特長を最大限に引き出したワインが造られるのです。そのため、チリワインは1つのブドウ品種で造られているものが多くあります。 それぞれ品種の良さを手軽においしく楽しめることも魅力の1つではないでしょうか。

主なブドウ品種

ブドウの良さが際立つチリワイン、実際にはどのような品種が栽培されているのでしょうか。主要品種の特長についてみていきましょう。

黒ブドウ品種

チリで栽培量が最も多い品種はカベルネ・ソーヴィニヨン種です。全体の約30%を占めています。 カベルネ・ソーヴィニヨン種と同じく、ボルドーから持ち込まれた品種にはカルメネール種とメルロー種があります。実は、カルメネール種はボルドーではすでに栽培されていない品種。それがチリで栽培され、ワインとなって飲めるというのは少し不思議ですよね。

●おすすめワイン

LG50サンタ・リタ スリー・メダルズ カベルネSG01外観

サンタ・リタ スリー・メダルズ カベルネ・ソーヴィニヨン(オープン価格) 

カベルネ・ソーヴィニヨン種特有のスパイシーな香りと赤系・黒系の果実のアロマをバランス良く感じることができる赤ワインです。

 

 

 

 

 

実は、チリではカルメネール種をメルロー種と勘違いしたまま長年栽培されており、発見されたのは1994年のこと。しかもそれまでカルメネール種は熟されずに利用され、香りも現在とは異なっていたそうです。

この出来事はとても珍しく、ソムリエの試験にもでるほど。しっかりと熟したカルメネール種はまろやかなタンニンと豊かな果実味が特長です。

そしてメルロー種は、ジャムのように香るワインを造ります。近年はチリの中でも冷涼な地域で栽培されています。その他、パイス種、シラー種、ピノ・ノワール種、マルベック種、カリニャン種などの黒ブドウもチリで栽培されています。

パイス種は、かつてはチリのブドウ畑に多く植えられていましたが、21世紀より徐々に面積を減らしています。近年、素晴らしいスパークリングワインや軽快な赤ワインが誕生してまた注目されてきています。カリニャン種も栽培面積のごく少ない品種ですが、再び見直す動きが出ています。

●おすすめワイン

LP96サンタ・リタ スリー・メダルズ カルメネールG01外観

サンタ・リタ スリー・メダルズ カルメネール(オープン価格)

カルメネール種の赤ワイン。ストロベリーやプラム、ブラックベリーといったフルーツの香りや、カシスのニュアンスが感じられます。

白ブドウ品種

チリの白ブドウはソーヴィニヨン・ブラン種、シャルドネ種が中心です。ソーヴィニヨン・ブラン種とシャルドネ種の栽培面積はほぼ変わらず、僅差でソーヴィニヨン・ブラン種が最も多く栽培されています。

●おすすめワイン

LG51サンタ・リタ スリー・メダルズ シャルドネG01外観

サンタ・リタ スリー・メダルズ シャルドネ(オープン価格) 

シャルドネ種の白ワイン。熟したトロピカルフルーツの強さがフルーツアロマの酸味で和らぎ、成熟した爽やかな味わいが楽しめます。

 

 

 

チリワインの歴史について

日本で人気がとまらないチリワインの特長とは

このように数多くの品種のブドウ栽培を行っているチリ。しかし、まだまだワインというと、イタリアやフランスなどのヨーロッパのイメージが強いかもしれませんね。

では、チリワインの歴史はどれほど古いものなのでしょうか?

チリワインの歴史は16世紀にまでさかのぼり、スペイン人によってブドウ栽培が伝えられたことから始まります。

乾燥したチリの土壌は菌や害虫の被害も少なく、オーガニックワインがたくさん造られる環境が揃っています。

19世紀にヨーロッパ全土を襲ったフィロキセラという害虫被害も、チリでは無縁。多くの醸造家がその技術とともにチリへ渡り、ワイン産業が本格的に広がりをみせたのです。

当時、フランスから持ち込まれた苗木は今もなお子孫が残されており、接ぎ木せず育てられたことからフランス以上の純粋さを誇ります。

その証拠に、ヨーロッパではすでに絶滅して幻の品種といわれていたカルメネール種のブドウの木が残っているほどなのです!

近年は海外からの資本投入にて輸出も進んでおり、日本以外の国でもチリワインは愛されています。

なぜチリはフィロキセラなどの害虫被害を受けにくいのか

このように、現在チリのワインは世界中に愛されるワインとなっています。ブドウの栽培に適した地であり、しかもフィロキセラなどの害虫被害もほとんど受けずにいます。

なぜチリではフィロキセラなどの害虫被害を受けにくいのでしょうか。

フィロキセラは、19世紀にアメリカのブドウの木がヨーロッパに持ち込まれたことが原因で広まりました。フィロキセラの耐性がなかったヨーロッパのブドウの樹は、壊滅的な被害を受けます。フィロキセラは、フランスを中心にヨーロッパ全土のブドウを根絶やしにする害虫になってしまったのです。

ところが、チリのブドウの木はフィロキセラが広まる前のヨーロッパから持ち込まれたもの。そのためフィロキセラの害を受けずに現在まで育つことができました。さらに、チリの気候や地形、土壌などがフィロキセラを寄せ付けにくいことに加えて、チリのSAG(農業牧畜庁)が病害虫を厳戒態勢で管理しているため、チリではブドウがより安全な環境で栽培されているというわけです。

詳しい解説はこちら。

ワインの歴史を変えた!?ブドウの天敵!害虫「フィロキセラ」の恐ろしさ

まとめ

リーズナブルな価格帯で高品質なブドウの風味を味わうことができるチリワイン。あなたもぜひお気に入りのラベルを探してみてくださいね!

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※ワインについては、記事掲載時点での情報です。

 

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