CULTURE

イタリアのワイン「キャンティ」の特長は?

イタリアワインといえばキャンティ。そうイメージする人も多く、キャンティはイタリアワインの顔ともいえるでしょう。日常的な赤ワインとして世界中で親しまれているキャンティですが、その歴史や種類についてはあまり知らない方もいるのではないでしょうか。

そんな方のために、今回はキャンティの魅力についてお伝えします。キャンティの産地、歴史、種類、楽しみ方について紹介しますので、キャンティについての知識を深めてみましょう。また、日常のシーンに合わせてキャンティを楽しむ方法もお伝えしますので、参考にしてみてください。

イタリアのワイン「キャンティ」の特長は?

中世から親しまれるイタリアワイン「キャンティ」とは

イタリアワインを代表するキャンティの歴史は中世にまでさかのぼります。ここでは、キャンティの産地、歴史について簡単に説明します。

産地はイタリア中部

キャンティは、イタリア中部のトスカーナ地方で生産されている赤ワイン。サンジョヴェーゼ種というブドウ品種を主体とし、酸味と果実味のバランスがとれた味わいが特長的です。

キャンティの古い歴史

イタリアのトスカーナ地方では、700年代から醸造家たちがワイン造りを手掛けていたといわれています。しかし、キャンティが世に出るまでには、それからしばらくの期間を要しました。サンジョヴェーゼ種のブドウのみで造ったワインは、硬く飲みづらい印象があったからです。

変化が訪れたのは19世紀に入ってからです。19世紀にベッティーノ・リカーゾリ男爵が白ブドウを含むほかのブドウ品種を加えたブドウの混醸率を考案し、キャンティはより飲みやすいワインとなりました。

飲みやすく改良されたキャンティは名が知れ渡り、イタリア国内のみならず、国外でも需要が高まります。そして、キャンティという名前が付いていれば売れる時代にもなりました。

そのようなキャンティの人気に注目し、イタリア各地ではこれまでキャンティを生産していなかった地域でもキャンティと名付けたワインを販売するようになりました。その結果、安い価格で品質の良くないキャンティが出まわるようになります。

このような状況を見かねた一部の生産者たちが、「キャンティ クラッシコ」という組合を結成。品質にこだわったキャンティを造ることで、再び高評価を得るようになりました。

キャンティの種類と格付け

イタリアのワイン「キャンティ」の特長は?

飲みやすい、親しみやすいイメージが定着しているキャンティですが、実はイタリアワインの格付けで最上位の等級であるD.O.C.G.ワインに分類されています。

キャンティの格付けは、「D.O.C.G キャンティ」、「D.O.C.G キャンティ クラッシコ」、「D.O.C.G キャンティ クラシッコ グラン セレツィオーネ」の3つです。

格付けによって、使用できるブドウ品種の比率や最低熟成期間などの条件が細かく定められているため、味わいや香りの印象が変わってきます。それぞれの違いについて、みていきましょう。

D.O.C.G キャンティ

「D.O.C.G キャンティ」は、トスカーナ地方の広域エリアで造られています。フレッシュ感が感じられ親しみやすい味わいが特長です。

使用できるブドウ品種は、サンジョヴェーゼ種70%以上、白ブドウ10%以内、黒ブドウ15%以内と決まっています。最低熟成期間は収穫年の翌年2月末までです。

D.O.C.G キャンティ クラッシコ

「D.O.C.G キャンティ クラッシコ」は、最も歴史ある伝統的なキャンティ地方のみで造られています。D.O.C.G キャンティよりも熟成期間が長いので、より深みのある味わいが感じられるワインです。

使用できるブドウ品種は、サンジョヴェーゼ種80%以上、その他は黒ブドウのみと定められています。最低熟成期間は収穫年の翌年9月末まで、リゼルヴァの場合は24ヶ月(瓶内では 3ヶ月)です。

D.O.C.G キャンティ クラッシコ グラン セレツィオーネ

キャンティ クラッシコの中で最も高い格付けにあたるのが、「D.O.C.G キャンティ クラシコ グラン セレツィオーネ」です。長く熟成させる分、凝縮感のあるキャンティになります。

使用できるブドウ品種は、サンジョヴェーゼ種80%以上、その他は黒ブドウのみと決まっています。D.O.C.G キャンティ クラシコとの違いは、全て自社畑のものに限るという条件が加わることです。最低熟成期間は30ヶ月(瓶内では 3ヶ月)と定められています。

キャンティの味わいを楽しむ方法

イタリアのワイン「キャンティ」の特長は?

果実実と適度なタンニン、酸味のバランスが良いキャンティは、幅広い料理と楽しめる赤ワインです。また、リーズナブルな価格のものから高級品まであるため、いろんなシーンで楽しめるワインでもあります。

ここからは、シーン別にキャンティを楽しむ方法を紹介します。

晩酌に楽しむ

イタリアのワイン「キャンティ」の特長は?

いつもの晩酌に楽しむなら、高品質、お手頃価格で購入できるキャンティとおつまみで楽しみましょう。

■おすすめの料理:赤身の焼き鳥(特にタレ)

キャンティに使用されているサンジョヴェーゼ種は、赤い果実の香りが特長的です。そんなキャンティには、焼き鳥がピッタリ。

タレの香ばしい香りと甘辛い味わいが赤系果実、プラムの香りとマッチし、タレの2度漬けをしているかのように感じられますよ。

おすすめのワイン:カステッロ・ディ・ガビアーノ キャンティ クラッシコ

カステッロ・ディ・ガ ビアーノ キャンティ クラッシコ

カステッロ・ディ・ガビアーノ キャンティ クラッシコ(参考小売価格:税抜2,508円)

チェリー、赤い果実、プラムの香りが特長的なワイン。まろやかで長い余韻のタンニン、力強いフィニッシュが感じられるバランスの良いワインです。赤身の焼き鳥との相性が抜群なので、ぜひお試しください。

 

 

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ちょっと贅沢な日に楽しむ

イタリアのワイン「キャンティ」の特長は?

自分へのご褒美など少し贅沢したい日は、グレードアップしたキャンティと煮込み料理で楽しみましょう。

おすすめの料理:ストラコット

トロトロの牛肉の旨みと玉ねぎの甘味が合い重なったイタリアの煮込み料理です。キャンティの故郷トスカーナ地方の郷土料理でもあります。

使う肉は、牛のもも肉、バラ肉がおすすめですが、鶏肉でも代用可能です。トロトロに煮込んで時間をかけた複雑な味わいの煮込み料理には、熟成された複雑味のあるキャンティ クラッシコ リゼルヴァを合わせましょう。

おすすめのワイン:テヌータ・ディ・リリアーノ キャンティ クラッシコ リゼルヴァ

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テヌータ・ディ・リリアーノ キャンティ クラッシコ リゼルヴァ(参考小売価格:税抜4,508円)

徹底的な間引きによってブドウの収穫量を抑え、凝縮感のある豊かな味わいをした極上のキャンティ クラッシコ リゼルヴァ。

ブラックチェリーなどの黒系果実に加え、熟成によるバニラなどの複雑な香りをもちます。しっかりとした骨格と、絶妙な樽使いにより深みのある味わいが特長です。

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特別な日に楽しむ

イタリアのワイン「キャンティ」の特長は?

特別な日や来客時には最高グレードのキャンティと、ステーキをメインディッシュとしたディナーで楽しみましょう。

■おすすめの料理:厚切りのTボーンステーキ

イタリアのフィレンツェでは、キアニーナ種の名産の牛肉を使い、鮮やかな香りでスパイシーな特産のオリーブオイルをかけていただくのが特別な日のご馳走です。普段の日とは違う特別な日には、厚切り肉のTボーンステーキとキャンティのマリアージュを楽しみましょう。

フィレンツェのリストランテ(高級レストラン)にいる気分で、ステーキに合わせるワインとしてキャンティ クラッシコを選びたいものです。

■おすすめのワイン:カステッロ・ディ・ガビアーノ キャンティ クラッシコ グラン セレツィオーネ“ベレッツァ”

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カステッロ・ディ・ガビアーノ キャンティ クラッシコ グラン セレツィオーネ“ベレッツァ”(参考小売価格:税抜6,308円)

キャンティ クラッシコ地区のカステッロ・ディ・ガビアーノにある最上級のサンジョヴェーゼ種のブドウの樹から収穫されたブドウを使って造ったワイン。格付け最高グレードの「D.O.C.G キャンティ クラッシコ グラン セレツィオーネ」です。

赤いベリー、シトラス、そしてスパイシーなバニラといった複雑味のある香りがします。果実味のあるコク、しっかりとした骨格、非常に強い余韻が感じられるワインなので、ガツンとしたTボーンステーキとよく合います。

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※ワインについては、記事掲載時点での情報です。

まとめ

古い歴史のあるキャンティは、現在に至るまで世界中で親しまれており、イタリアワインを語るうえで欠かせない存在となっています。その背景には、キャンティの生き残りをかけて、高品質のワイン造りにこだわった一部の生産者たちの努力が大きいといえるでしょう。

誰でも親しみやすいカジュアルなイメージがあるキャンティですが、3つの格付けがあり、格付けによってブドウ品種の割合や最低熟成期間が異なります。同じキャンティでも味の印象が大きく変わるので、いろんなキャンティを飲み比べてみてはいかがでしょうか。

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