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SBL88乳酸菌によるアルコール性肝障害抑制作用を動物試験で検証

サッポロビールでは既にアレルギー体質改善機能を報告したSBL88乳酸菌(学術名:Lactobacillus brevis SBC8803)の新たな健康機能性を研究してきました。その研究成果の1つとして、SBL88乳酸菌が動物試験にてアルコール性肝障害抑制作用を示すことを明らかにしました。

  1. 動物試験の概要
    雄のマウスにエタノールを含む液体飼料(エタノール食)を4~5週間摂取させ、アルコール性肝障害のモデルマウスを作製しました。このマウスにSBL88乳酸菌を毎日所定量与え、肝機能障害の指標として広く知られている血清トランスアミナーゼ(AST・ALT)量や、肝臓の総コレステロール、トリグリセリド(中性脂肪)の蓄積量を調べました。

  2. 血清中のAST・ALTの上昇抑制
    肝機能障害の指標である、血清トランスアミナーゼ(AST・ALT)量を調べました。SBL88乳酸菌を摂取したマウスのASTは3週間目以降、ALTは2週間目以降、エタノール食のみの場合に比べ有意に低い値となりました(図1)。本結果より、SBL88乳酸菌にAST・ALTの上昇抑制効果が確認されました。
  3. 【図1:AST、ALTの上昇抑制効果】

  4. 肝臓の総コレステロール、中性脂肪の蓄積量抑制
    エタノールを長期間摂取させると、肝臓に脂肪肝が発症することが報告されています。そこで、本試験においても、脂肪肝が発症しているか否かを調べる目的で、脂肪滴を染める色素(オイルレッド)にて肝臓の組織を染色したところ、エタノール食を与えられたマウスの肝臓のオイルレッド染色像に脂肪滴(赤色の小さな点)が観察されました(図2左)。さらに、肝臓の総コレステロール、中性脂肪の蓄積量を調べましたところ、通常食を与えられたマウスよりも有意に多いことが分りました(図3)。これらの結果から、本試験においても、エタノール摂取による肝臓の脂肪蓄積が確認されました。 一方、エタノール食を与えられたマウスにSBL88乳酸菌を投与したところ、オイルレッド染色による肝臓の病理組織像から(図2中)、また、肝臓の総コレステロールおよび中性脂肪量から(図3)も、肝臓の脂肪蓄積を有意に抑制することが明らかとなりました。
  5. 【図2:肝臓の組織病理像】

    【図3:肝臓への脂肪蓄積の抑制効果】

  6. 推定メカニズム
    アルコール性肝障害の発症メカニズムの一つとして、腸管から肝臓へのグラム陰性菌由来エンドトキシンの移行による炎症の発生が考えられています。別の試験結果より、SBL88乳酸菌の摂取により肝臓における炎症性サイトカインの発現が抑制されていたことから、SBL88乳酸菌は腸管から肝臓へのエンドトキシンの移行を抑制することによって、アルコール性肝障害の発症を抑制している可能性が考えられます。従って、SBL88乳酸菌のアルコール性肝障害抑制作用のメカニズムとして、腸管におけるバリア機能の向上や腸内細菌叢の改善などを推察しています。
  7. まとめ
    ヒトのアルコール性肝障害は長期間にわたる適正水準を超えた過剰な飲酒に起因します。マウスを用いたアルコール性肝障害の動物試験により、SBL88乳酸菌はアルコール性肝障害抑制作用を示すことが明らかとなりました。日常の食生活の中で、その発症を緩和する可能性を検証したいと考えています。

※用語の説明

AST:
アスパラギン酸アミノ基転移酵素。GOTとも呼ばれる。肝機能障害の程度を評価する目的で血清中のAST濃度測定が行われている。
ALT:
アラニントランスアミナーゼ。GPTとも呼ばれる。AST同様、肝機能障害の程度を評価する指標として用いられている。
オイルレッド染色:
脂肪を染色する簡便な方法。オイルレッドOにより脂肪が赤く染色される。
エンドトキシン:
グラム陰性菌の細胞壁成分であり、リポポリサッカライド(LPS)で構成される。マクロファージなどの免疫細胞を活性化し、炎症を引き起こす。
炎症性サイトカイン:
サイトカインは細胞どうしが連絡をとりあう際のシグナルの役割を果たす分子。炎症性サイトカインは炎症発生に関与しているサイトカイン。