ホーム > 会社情報 > 研究開発 > 価値創造フロンティア研究所 > ビールのコクとキレのレベル比較を可能にした 「コク・キレセンサー」の開発

センサー外観

ビールの流し始めと流し終わりで数値が変化 (ピンクの線)
ビールを飲んだとき、様々な言葉で表現される“おいしさ”ですが、中でも代表的なものが“コク”と“キレ”です。しかし、ビールのコクやキレは数多くの成分が複雑に絡みあって生まれるため、これまでその判断方法は官能評価以外にありませんでした。こうした状況を前に進めるべく、サッポロビール価値創造フロンティア研究所はコクとキレを客観的に計る手法の確立に着手。人間工学的なアプローチからビール成分と舌の関係に注目し、「コク・キレセンサー」の開発につなげました。
今回のコク・キレセンサーは、ビールを飲んでいる間、苦味や渋味、酸味といった味成分がより多く舌や喉の粘膜に吸着すれば“コク”を、飲んだあとすぐに洗い流されれば“キレ”を感じる、という仮説のもとに研究を推進。舌の代わりとなるセンサーについては様々な素材を検証した結果、東京工業大学・岡畑恵雄教授が開発した「水晶発振子型脂質膜センサー」を本目的の計測用に最適化したものです。これに、ビール希釈溶液および唾液に見立てた蒸留水を交互に流し、1Hzの振動数の変化が成分約1ngの着脱に相当するよう設計したセンサーで計測することにより、ビール成分の吸着性や残存性が具体的に判断できるシステムとしました。
コク・キレセンサーによる各種ビールや発泡酒の計測値は、官能評価ともほぼ一致しており、データの有効性についても確認ができました。さらに、このセンサーを使った場合には“ビールAのキレはビールBの5倍”といった評価が可能で、製品開発の可能性を広げる新技術の1つとして期待されています。