「とんかつ専門店のディスカウンター」をコンセプトに掲げる「坂井精肉店」は、居酒屋を主力に展開してきたユナイテッド&コレクティブ(株)が2009年3月からはじめた新業態。看板商品の上ソースかつ丼が550円、ソースかつ丼は390円だが、価格以上に注目すべきは商品のクオリティだ。米国産豚肉をチルドで使用し、上で125g、並で85gとボリュームを訴求。さらに特徴は、低温と高温の2種類の油で“2度揚げ”する点にある。衣付けして低温で揚げてスタンバイしておき、注文後に高温の油で再度揚げて提供。低温で揚げることで肉汁の流出を防ぎ、しっかりとした旨みと厚みに仕上がる。さらに提供のスピードアップも図れるというわけだ。出店は居抜きを基本として、30坪50席で月商800万円、営業利益率15%というのが収益モデル。2009年度に7店を出店し、都心部、SC内、郊外ロードサイドと立地の幅を拡大している。2010年度は直営20店を出店する他、フランチャイズ展開もスタートさせるという。
坂井精肉店 高田馬場店
伝説のすた丼屋 明大前店
20坪31席で1日800人を集客する秋葉原店(東京)をはじめ、直営25店、暖簾分け3店を擁する「伝説のすた丼屋」は、ここ3年間でチェーン年商を3倍に拡大した注目のコンセプトだ。看板メニューのすた丼は、まず圧倒的なボリュームが特徴。ニンニク風味の醤油だれをからめた豚肉をたっぷりとご飯にのせ、総重量はなんと600gにもなる。コアターゲットである若い男性客の食事ニーズに合わせた超ボリューム。それで価格は600円というお値打ち度で、熱烈なファンを掴んでいるのだ。門外不出のタレは独特な調味料の組合せと熟成法で食べあきない味を実現。加えて調理はツーオーダーを徹底し品質を追求する。豚肉はまず油通しして旨みを封じ込めるなど、独自のオペレーションで差別化を図っている点も見逃せない。経営母体の(株)アントワークスでは、これまでの首都圏に加えて今後は関西圏での出店に力を入れ、全国展開に向けて本格始動する計画だ。
鶏ガラスープと醤油だれを合わせ、仕上げに背脂を加えた“京都ラーメン”。これを主力に据えた「魁力屋」は、関西でじわじわと勢力を拡大した後2009年に東京に進出、現在直営15店を展開する注目のラーメンチェーンだ。セントラルキッチンを持たず、スープもすべて店舗で仕込む。同チェーンを象徴するメニューである「特製醤油・九条ネギ味玉ラーメン」900円は、繊維に沿って切った九条ネギを山のように盛りつけたもの。ネギは店で手切りしているため、1日20杯の限定メニューだ。しっかり鍋を振って炒める焼めし、下味つけのタレから店舗で仕込む唐揚げなど、サイドメニューにも手抜きはない。展開母体の(株)魁力屋は2009年に東京事務所を開設、早期に50店体制を確立したいとしている。
魁力屋 高槻店

- これらの事例に共通しているのは、商品において「こういう価値を提供したい」というところからビジネスをスタートしていることだ。そのバリューを実現するために、あらゆる仕組みを考え、その結果としてお客に支持される業態ができあがっていく。決して「どうやって儲けるか」から発想していないこと。これが、厳しい市場環境の中でも着実にチェーン規模を拡大していく、最大の原動力になっていることは間違いない。

- 坂井精肉店 高田馬場店
- 東京都新宿区高田馬場2-2-1 TEL03-6457-3634
11:00~23:30 無休 店舗規模/27坪38席
高田馬場店は2009年4月オープンの2号店。27坪38席の店内はカウンター主体でファストフード型のレイアウト。立地的にも高速回転型の店で、客単価は570円と既存店中最も低いが、月商600万円を安定して売り上げる繁盛店である。09年11月に初の郊外店、松戸元山店(千葉)を出店、今後は郊外に比重をおきたい意向だ。

- 伝説のすた丼屋 明大前店
- 東京都世田谷区松原1-37-20 金田ビル1F TEL03-3327-8339
11:00~翌3:00 無休 店舗規模/20坪38 席
木材を使ったシックな外観が特徴。オープンキッチンを採用したカウンター席主体の店づくりで、調理のライブ感も人気を呼んでいる。チェーンのスタートは東京・国立で、学生がお腹いっぱいになれるものを、というのがメニューの発想だった。現在も学生街は主力立地の一つで、明大前店はその好例。深夜まで営業を行なっている。

- 魁力屋 高槻店
- 大阪府高槻市春日町15-16 TEL072-672-2228
11:00~翌0:00 無休 店舗規模/30坪37席
主力立地は郊外ロードサイド。カウンターと小上がりを主体としたレイアウトは全店共通で、女性やファミリーにとっての入りやすさを考慮した、シンプルでカジュアルな内装が特徴である。メニューなど店内の掲示物は手書き風にして温かみを演出。従業員各人の個性を前面に出した、フレンドリーな接客サービスも人気の要因だ。







