サッポロビール株式会社
会社情報
★SAPPORO
  • よくあるご質問・お問合せ
  • サイトマップ
  • ホーム
  • 商品情報
  • サッポログループ

ホーム > 繁盛店の扉 > 食材探検隊 > 養殖真ダイの革命児!「鯛一郎クン」

繁盛店の扉web お店をどんどん強くする。

  • 繁盛店の扉 トップ

食材探検隊

養殖真ダイの革命児!「鯛一郎クン」

四方を海に囲まれ、世界で最も多彩な魚種を食べている日本だが、真ダイはその中でも特別の魚だ。古くから慶祝事や神道の祝祭に欠かせない食材とされ、淡泊な味わいで、多彩な郷土料理の主役にもなっている。現在、養殖物が市場の80%以上を占めるが、その品質は大きく向上しているようだ。

 日本には、○○ダイと名が付く魚が200種類ほどいると言われる。その中には真ダイとは似ても似つかぬ魚もいるが、魚としての姿、味わいに優れ、昔から高級魚とされてきた、真ダイにあやかろうという想いからのことだろう。
 もちろん、普通「タイ」と言えば真ダイのこと。北海道、沖縄を除く、日本各地の岩礁帯に棲息するが、その水質や食べる餌類によって、身質や味わいが大きく変わる。
 大きい物になると80cm以上になるが、一般的においしいとされるのが「目の下一尺」と呼ばれる体長35~40cmで1.5~2kgのもの。天然ものの水揚げ量は年間1万5000t前後。養殖は年間7~8万tで、その数量は他の魚種に比べれば安定している。

沖の生け簀から運ばれたその日出荷される真ダイの水揚げ。

活魚の出荷は専用のケースを使用。一番おいしいとされる40cm弱2kg前後の真ダイのみが活魚となる。天然もの同様24時間の熟成でおいしくなるという。

加熱してもおいしい養殖真ダイを目指して

 天然物の漁獲量が最も多い愛媛県は養殖真ダイの生産量も全国一。特に宇和島エリアは全国の養殖真ダイの生産量の40%以上を占める一大生産地である。黒潮の分岐流が流れ込む宇和島湾は適度に海流が回り、急深で沖に100mも出れば水深は60mとなり、きれいな水質が保ちやすく、真ダイの養殖にも最適な環境だ。
 かつては養殖真ダイというと見た目も黒っぽく、加熱すると独特の脂の臭いが出るということで、敬遠する人も多かった。しかし、食文化の変化もあり、全国的に魚介類の消費量は減少傾向。鯛の値段も下降する中、品質向上で差別化を目指し、様々な工夫を施した高品質な養殖真ダイを生産する養殖業者が増えている。

複雑な海岸線を持つ宇和島湾はエリア内での海水環境も複雑。成育時期によって適切な環境に移動させることができるのも真ダイ養殖のメリットだ。

 

時に天然物の浜値を上回る価格で取引されるブランド鯛「鯛一郎クン(たいちろう)」を生産する(有)徳弘水産はその代表的な会社である。
「養殖の鯛の脂は加熱すると独特の匂いが出てしまう。よく『料理にはつかえない』と料理人さんに言われました。その脂の匂いを消すことが、鯛一郎クンを誕生させるスタートでした」と言うのは同社の代表取締役、徳弘多一郎さん。ブランドに゛クン゛が付いているのは、「どうも呼び捨てにされているようで…(笑)」というわけだ。
 徳弘さんが料理人の意見から品質着手に取り組んだのは、90年頃。納得できる真ダイが完成し、「鯛一郎クン」という名前で出荷し始めたのが03年。開発には13年がかけられたが、「今も改良は進行中」と品質向上に終わりはないというのが徳弘さんの信条。
 改良の大きなポイントとなったのは、鯛の消化器官を丈夫にすることだったという。すべて天然素材を使い、綺麗な色、匂いのない脂、もっちりとした身を作るための要素を加え、さらにそれらを十分に吸収できる内臓を強化する素材をプラスする。これらを組み合わせ、与え方も工夫し、試験を重ねた。すぐに結果が分かるわけではない。まさに試行錯誤の13年間だったという。

「最近は自分の目で成育環境を確認したいという見学希望者が多くなっています」と徳弘社長。

「実際、扱ってくれている調理人さんの中には内臓が天然物と同じようにしっかりしていることが扱うポイントになったという方もいらっしゃいます。それを聞いた時はやはりプロの見方は違うなと思いましたね」と徳弘さん。さらに、
「通常、養殖ものの方が脂肪分は高く、天然物と刺身で食べ比べると養殖の方がおいしいと感じる人が少なくありません。しかし、それをしゃぶしゃぶにした途端に、天然物との区別は明白になります。養殖のものはそこで匂いが出てしまうからです。でも鯛一郎クンはそればない。ぜひしゃぶしゃぶで食べて欲しいですね。お刺身よりも飽きません」と続けた。
 お刺身で提供した真ダイを最後まで飽きずに、食べてもらえるよう「残りはしゃぶしゃぶでどうですか?」というサービスも成り立ちそうだ。
 天然もの、養殖ものを問わず、真ダイのおいしさを大きく左右するのが、水揚げされてからの保管法。真ダイは死後硬直後、熟成期に入ると保水性、弾力性が回復し、さらにタンパク質がアミノ酸に分解されることで旨味が増す。絞めた鯛は氷温で12時間程度熟成させることで、さらにおいしく食べられるようになるわけだ。なお、天然ものを活き締めした場合は、死後硬直までの時間が長くなり、旨味がでる時間も遅くなる。一般的に24時間は熟成させた方がよいとされている。
 真ダイは高級魚のイメージが強く、刺身には欠かせない魚種だが、安定した供給と魚介類消費の低迷で、価格は安定傾向。加熱料理をしてもおいしく食べられる養殖真ダイの活用法は色々と考えられそうだ。

取材協力/(有)徳弘水産
http://taichiro-kun.com/

お取引に関してはサッポロビールは関知いたしません。

こだわりの郷土料理の老舗でも鯛一郎クンを導入

 宇和島の鯛めしは伊予水軍や漁師達が船上で食べた鯛料理が起源とされる豪快な味わいが魅力。卵黄を入れた独特のタレに、鯛の切り身を漬け、それを炊きたてのご飯にのせて食べる。右上のアワビの貝殻にタイの切り身が入る。いくらでもご飯が入ってしまうおいしさだ。
 宇和島市内の老舗和食店「丸水(がんすい)」では創業当時から宇和島の天然真ダイにこだわってきたが、値段の変動が激しい天然ダイだけでは、提供価格の維持が難しくなったことから地元のブランド真ダイ「鯛一郎クン」を導入。それまで1790円で天然ダイの鯛めし定食を2000円に価格変更し、1500円で鯛一郎クンの鯛めし定食を提供するようになった。
 お店の調理人さん達が3日かけて試食を繰り返し、「あきらかにこれまでの養殖ダイとは違う」と高いハードルをクリア。既に天然真ダイの鯛めしと人気を二分するまでになっているという。