
株式会社食楽 代表取締役
松井春澄
売上げ減の傾向に気付いたら、まず当初決めたメニューの味や材料、ポーションや盛り付けが変わっていないかをチェックしてください。
私の経験から言えば、お店の試食会で確定したメニューは、実践を経てしばらくたつと大抵かたちが変ったものになっています。スタッフは気付きませんが、お客様は戸惑い、ロスが出るようになる。もう一度当初のコンセプトに戻す努力が必要なのです。
そのコンセプトは、お店の方向性を包括したものであるはずです。アッパーな業態であれば、例えば通常380円の肉じゃがに580円で通用する付加価値を与える、といったことです。580円は比較的高いわけですが、お店の所期のコンセプトの中に位置づけられたもの。お店の成り立ちの核心と言ってもいいでしょう。これがブレてしまうと経営はバランスを欠いて、失速してしまうのです。
さて、私はお店のメニュー開発に役立てるために他業種もウォッチしています。最近では「デパ地下惣菜」では完成度の高いサラダ類に目が向きます。「食品専門スーパー」の珍しい調味料も興味深い。「ファストフード」の定番とキャンペーン商品との組み合わせなども参考になりますし、「道の駅」では野菜を中心とした地の食材などに触発されます。また「おとりよせの本」なども大いに参考になります。特に調理スタッフは刺激を受けることが多いようです。
店主の方々も同業ばかりではなく他業種も積極的に視察してみましょう。売れるメニューのヒントがたくさん見つかるはずです。
では売れるメニューの共通項とは何でしょう。
第一に挙げられるのが「説得力のあるメニュー」です。値頃感があっておいしい、これは基本です。
次に「新しい発見があるメニュー」。馴染みはあるのに新しい装いになっている、そうエスプリが利いたものです。
それから「完成度が高いメニュー」。完成度と言った時、私はこう感じます。食器、盛り付け、提供法すべてが醸し出す〈お皿の上のコンセプト〉がヒシヒシと伝わってくるもの、これがお客様を納得させるメニューなのではないか、と。
売上げ増を目指して「メニュー総点検」を実施してみてください。
- まつい はるみ
- 静岡県生まれ。1990年株式会社ミュー・プランニング&オペレーターズ入社。飲食店の業態開発、メニューコーディネートの仕事に従事。2006年5月独立、株式会社食楽設立。現在はレストラン、居酒屋、ファストフードなど様々な飲食業態からスーパーマーケット、食物販のコンセプト提案など幅広く手掛ける。
http://www.shoku-raku.com


