
(株)JTBモチベーションズ 代表取締役 大塚雅樹さん
オーダーのミスやレジの打ち間違い…、こうした簡単なミスが多発する環境というのは、作業の仕組みに問題がある場合が多いんです。まずそれを疑わなくてはいけない。しかし、ありがちなのが「気合いがはいっていないからだ」とか、「集中しろ」という叱責。特に、不景気な状況にある時には、そんな問題にすりかえがちです。
では、そうするか? 「ミスがでないように考えて」とアイデアを出してもらう。それもミスをした本人だけでなく、他のスタッフを巻き込んで考えてもらう。私はケミストリーと呼んでいますが、2人、もしくはそれ以上で考えれば化学反応が起きるように思いもよらぬアイデアが出てくることもある。またスタッフ間のコミュニケーションが深まりチームワークの改善にもなる。
そして、出てきたアイデアをちゃんと評価して上げる。「そんなのできるわけないだろ」とか、「そんなことをいうのは10年早い」という対応では人は育ちません。こうしたアイデアがスタッフみんなから出てくる環境を作ることが店長さんの一番の仕事といってもいいでしょう。もちろん、褒めるだけでは誰も喜ばないし、成長しない。ただ、期待をすること、正しくいえば、期待をちゃんと表現してあげることで、スタッフのモチベーションは上がります。
また、店長さんが忘れてはならないこと。それは、スタッフの成長は自分の成長に繋がっているということです。上からの目線でものごとを判断するクセがついてしまうと自分の成長はなくなってしまいます。常に謙虚な姿勢で臨むことを忘れないで欲しいですね。
よく、こんな時代だからといいますが、ハイパフォーマンスのビジネスマンは環境が悪化している時ほど力を発揮します。既存の決まり事を超えたところで、斬新なアイデアを導入したり、思い切った判断ができるからです。
お店がいい状況にないならば、まず基本的な「計画」「実施」「監視」「改善」のサイクルを一から見直してみることをお勧めします。そして、スタッフが知恵を出し出しやすい環境を創造する。こうして出てきたアイデアを実践することで、打開策が見つかるはずです。
- おおつか まさき
- JTB社員時代に企業向けインセンティブトラベル(報酬旅行)の販売を担当。そこから社員のモチベーションこそが経営の最終兵器という考えに至る。93年社内ベンチャーとして、JTBモチベーションを設立。モチベーションをテーマとしたコンサルティングを幅広い業態で展開する。


