低価格志向に対応するために新ジャンルを扱いたいが、生ビールにこだわりをもつ常連さんの要望にも応えたい。こんな悩みに答えるのがWコックサーバーの導入。しかし、その効果を最大限に発揮するためには、いくつかのコツがあるようだ…。
もちろん、お客様の低価格志向は低価格型居酒屋の市場を広げただけではない。既存店においても、お店選びには価格という要素がかなり影響している。特にドリンクに関してシビアな味方をしているようだ。それは最近、サッポロビール(株)で実施したアンケート結果にも現れている。
「料理の値段と比較してビールの値段が割高だと感じるか?」という質問には、およそ80%の人が<時々ある、よくある>と回答している。せっかく低価格のフードメニューをラインアップしてもドリンク類の価格に変化がないと、「このお店は高い」というイメージを持たれてしまう可能性も高いだろう。
【料理の値段と比べてビールの値段が割高だと思う時がある】

※2010年2月、インターネット調査。麦とホップ樽詰飲用経験者200名、未経験者200名の計400名が対象。
ではこうした動向に対応するには、どうしたらいいのか? もちろん、樽生ビールを低価格で提供する方法もある。しかし、樽生ビールの値段を下げれば、利益幅の当然減ってしまう。
当然考えられるのは、低価格で提供しても利益を確保できる新ジャンル商品などの導入だが、樽生ビールにこだわりを持つ既存のお客様のことを考えると簡単には踏み切れない。もちろん、新規開業の低価格型居酒屋であれば、こんな場合は新ジャンルだけのラインアップでよりコンセプトを明確にすることもできるが、常連客の要望を無視できない既存店では、2つの商品を併売するという形が最も合理的になるだろう。
もっとも、Wコックサーバーを導入するお店は以前よりあった。しかし、それは「サッポロ生ビール」に「ヱビス樽生」の組み合わせのように、お客様に選ぶ楽しさを提供することを目的にしたものが大半。一方「麦とホップ樽詰」との組み合わせは、あくまでもお客様の低価格志向に対応するということが目的となる。




実際、樽生ビールと新ジャンルである「麦とホップ樽詰」を既存樽生ビールに加える形で導入するお店は増えている。
「客単価的には2000円前後から3000円ぐらい。同じ商圏の中に低価格店が参入してくるなど、競合が厳しくなっているお店での導入が増えている」と教えてくれたのは、サッポロビール東京東支店の中川俊輔課長代理。また、同社、東京西支店の馬場良太課長代理は「ファミリー客が多い、郊外店立地では、食事主体のお店で導入して売上げに貢献する例も出てきていますね」と言う。
競合が厳しいエリアでは、店頭などで1杯の価格をアピールしたり、飲み放題に価格ランクを付けることで、お得感を強調。新規客、宴会客にアピールし、新規顧客の獲得につなげている事例で出てきている。
「麦とホップ樽詰」を活用し、宴会メニューとしての飲み放題とは別に、当日のフリ客を対象に1000円以下という飲み放題メニューを設定。競合エリアでの差別化に成功したお店もある。
時間制限は70分、同じテーブルの全員が注文し、セルフサービスという条件があるが、フリ客の80%がこの飲み放題を注文し、さらにほとんどのお客様がプラス400円で30分の延長をするという人気ぶり。この飲み放題目当てのリピーターも増えているという。
食事中心のお店では低価格でのアピールが注文のハードルを下げ、それがお店選びに直結する場合が多くなっているようだ。
東京郊外では、麦とホップ樽詰に大胆な低価格を設定。気軽に飲めるお店として、家族客の集客に成功。低迷していた売上げを再び上昇させるきっかけとなったお好み焼き店もある。
もちろん、成功事例は他にもあるが、Wコック導入を売上げにつなげるための共通したポイントは、
「あくまで戦略商品と割り切った上の大胆な価格設定が成功事例の共通点。レギュラーと樽生ビールとの価格差をできるだけ付けた方が成功につながります」と中川課長代理は証言する。さらに、
「リーズナブルであることを強力にアピールする価格付けができるように、麦とホップ樽詰には360ccをよく提案しています」と続けた。
逆に「大ジョッキを生ビールの中ジョッキと同じような価格で提供するのも一つの方法。やはり既存生ビールとの比較でお得感を演出するのが、ポイントですね」と馬場課長代理。
お客様にお得感をアピールすることがWコック導入を成功に導く大きなポイントであることは間違いなさそうだ。
実際に麦と「ホップ 樽詰」を飲んだことがある200名を対象に、普段行く飲食店を想定し、ビールと比べ100円以上安い価格で新ジャンルが加わったらどうしますか? というアンケートでは、35%の人はメンバーやシチュエーションによって、生ビールか新ジャンルかを決めるとし、この回答を含め80%の人は新ジャンルを注文する可能性があるという結果。お客様にとってもWコックの導入は、歓迎したいことのようだ。また、「価格の違い、味などを総合的に判断し、その満足度は?」というアンケートには、38%の人が<麦とホップの方が満足度が高いと回答。一方、<ビールの方が高いと回答した人が25%と麦とホップ樽詰め満足度の方が高い結果になっている。
【普段行く飲食店を想定し、ビールと比べ100円以上安い価格で新ジャンルが加わったらどうしますか?(全体)】

【普段行く飲食店を想定し、ビールと比べ100円以上安い価格で新ジャンルが加わったらどうしますか?(飲用経験者)】

【価格の違い、味などを総合的に判断し、その満足度は?】

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