サッポロビール株式会社
★SAPPORO
  • よくあるご質問・お問合せ
  • サイトマップ
  • マイページ
  • 会社情報
  • サッポログループ
★SAPPORO マイページ
マイページ
メニュー
メニュー
clear

ホーム >箱根駅伝応援サイト > レジェンド対談(後編)

箱根駅伝
『レジェンド対談』

5区山上りで衝撃の激走
2人の〝山の神〟が強さの秘密を大公開

柏原竜二(東洋大学OB)×神野大地(青山学院大学OB)

前編後編

〝山の神〟が強かった要因と山に挑む選手たちへのメッセージ

箱根駅伝の5区は平地とは異なる特殊区間だけに、走り方も平地とは異なる部分がある。だが、『初代・山の神』今井正人(順天堂大学/現・トヨタ自動車九州)を含めても攻略に適した〝型〟はないようだ。フォームや攻略のポイントをどう考えているのか、東洋大学時代に4年連続区間賞に輝いた柏原竜二(現・富士通社員)と、柏原の区間参考記録(コース変更の為、参考記録扱い)を上回った青山学院大学OBの神野大地(現・プロランナー/セルソース所属)がその秘訣を明かした。

歩幅は若干狭くしていると思います。これは高校時代から山を走っていた時に、少しでも楽に走りたいと思って試した結果、これが走りやすいなと感じたからです」(柏原)

「僕は腕振りですね。腕を振れば、足は自然と前に出ます。あとは走り方というか、あのコースは上り始めたらすぐにきつくなるんですけど、限界に近いところで良いリズムやペースが自分にハマるかというのも重要だと思います。限界を超えて『もう無理だ』となるギリギリのところ、それを見つけることがポイントなのかなと思います」(神野)

「走り方に正解はないと思います。何しろ法大の関口君(頌悟/2013年に5区区間2位)が〝すり足〟であれだけ上れちゃうんですから、わかりませんよね(笑)」(柏原)

「今井さんも柏原さんも自分も同じようなフォームではないですし、この走りが5区に向いているというのはないのかなと思います。下りはつま先接地だったり、スピードのある選手など、ある程度は似たような走り方をするのかもしれないですけど、上りはこれというのはないですね」(神野)

『正解はない』と口をそろえる2人だが、共通して持っているものがある。それは難関のコースのひとつに挑む気持ちの強さ。それこそが5区を攻略する上で最も大切なものだと考えている。

「あのコースは途中で気持ちが切れたら終わりなんですよ。立て直しもきかない。だから、いかに強い気持ちで臨めるかだと思います。その気持ちは1年間の努力によるものだと思います。どれだけ箱根で勝ちたい、箱根の坂で自分が活躍するんだという気持ちを持って練習してきたかで強くなると思いますし、簡単にあきらめたくないという気持ちで臨めるのかなと思います。トラックでもきつくなったらすぐ離れていくようなレースをしている選手だと5区はダメで、離れても粘り強く走る選手は向いているのかなと思います」(神野)

「負けたくないという気持ちは人一倍持っていたと思います。気持ちだけで押し切れたらそんな楽なことはないと言われるかもしれませんが、気持ちプラス、1年間覚悟を持ってやれたというのが、僕が結果を出せた理由かなと思います。そういう点では川内優輝さん(埼玉県庁)が走ったら絶対強いと思います(笑)」(柏原)

「川内さんが挑戦したら、絶対にまとめてくると思います。僕が走った頃の距離(23.2km)で言うと10回走ったら10回とも80分くらいで走りそうですね」(神野)

ともに区間記録保持者となり、〝山の神〟と言われながら、これまでは山上りについて話す機会がなかったという2人。今だから言える、自身の区間記録についての思いとお互いへの印象。そして、実現することはなかった幻の〝直接対決〟についても触れてもらった。

「区間記録って選手にとっての目標値なので、目標にされる立場になれたことはうれしかったです。ただ、誰かに抜いてほしいとは思っていたので、神野君が自分の記録を抜いてくれた時は『やった、これでオレも楽になれる』と思いました(笑)。小柄なのにすごいエネルギッシュだなと思いましたね。ただ、どっちが強いかという話は野暮じゃないですか? こういう話になるとお互い謙遜をしてしまうと思いますし、それは見ている方に任せて楽しんでもらえれば良いのかなと思います」(柏原)

「柏原さんのタイムはイメージとして持っていましたけど、自分の目標タイムは78分30秒でした。それができれば、目標としていたチームの総合優勝に貢献できるだろうと考えていました。もし柏原さんのタイムをポイントごとに意識していたら、自分自身の戦いになってしまったと思います。チームのために走り、あまり意識していなかったことが結果として柏原さんの記録を上回る要因になったのかなと思います。もし同じ時に走っていたら、5回中4回は負けると思います。一緒じゃなくて良かったなと思います(笑)」(神野)

「それは僕も同じです。もし一緒に走ったとしても特別な戦略はないです。自分の仕事を全うするだけなので。自分が現役の頃に変わらずやっていたのは自分のレースをすることで、神野君が相手でも最初から突っ込んでいって、最後まで押し切るというスタイルだと思います」(柏原)

箱根駅伝ファンはいつも新たなスター誕生を待ちわびている。果たして〝4代目・山の神〟誕生の瞬間は訪れるのか。レジェンドからのメッセージはこれから山へ挑む選手への金言になるだろう。

「区間記録に関しては、コースが変わってしまいましたけど、僕は抜かれないと思っていますし、抜かれたくないと考えています。それはあの時の調子だったり、天候や、たすきを受けた45秒差の2位という位置だったり、いろんなものが重なって出せたもの。そんな簡単な記録じゃないと思っています。もっとも、今の距離(20.8km)であれば今井さんの記録(1時間9分12秒=2005年までの旧コース)を破ったら4代目と言っていいんじゃないでしょうか。希望としては、微妙なタイムで4代目が生まれてほしくはないですね(笑)」(神野)

「それは僕も思いますね、神が何代目まで出てくるのかと(笑)。ただ、山に挑む選手たちは全員が素晴らしいです。志願する選手もいれば、やらされている選手もいるでしょうけど、そこに挑む選手たちを尊敬しますし、がんばってほしいなと思います。他の区間よりも肩入れして見てしまいますね。アドバイスとしては、『あきらめが肝心である』ということです。あきらめるというのはネガティブな思考を捨てること。ネガティブな思考が出ると身体が動かなくなったりするので、いろんなものをあきらめて、『よし、行くぞ!』という気持ちで走ることだと思います」(柏原)

「もし山の神になったら人生変わるよ、と伝えたいです。5区で世間のみなさんに知ってもらうことで、マラソンをしている今でもたくさんの方に応援してもらえると感じています。あの区間は特別だし、わずか76分で人生は変わると思えたので、がんばって後悔はありません。一生を懸けてもいいようなものだと思います」(神野)

協力:月刊陸上競技/陸上競技社

TOP