ビールができるまでには、さまざまな副産物や廃棄物が生まれます。
でも、原料の麦粕も材料を包む梱包材も、サッポロビールでは廃棄されることなく100%リサイクルされているのです。これからもずっと100%リサイクルを続けていきます。
サッポロビールでは、全ビール工場に嫌気性廃水処理設備の導入を完了する等、積極的な設備投資とその運用で副産物・廃棄物の発生抑制と再資源化に努めています。嫌気性廃水処理では、処理に際し発生するメタンガスを回収し、ボイラー燃料などに有効利用することで、化石燃料に由来するCO2排出量も削減しています。
また、こうした取組みに加え、副産物・廃棄物の約70%を占めるモルトフィードをバイオマス(※1)エネルギーとして有効利用する取組みを進めています。
※1 バイオマス:動植物由来の再生可能な有機性資源
※ 副産物・廃棄物発生量の3年間のデータは、こちら(廃棄物のデータ)をご覧ください
製造工程で発生する副産物・廃棄物とその再生用途

ビールなどの製造工程から排出される副産物・廃棄物総量の約80%は、モルトフィードとビール酵母が占めています。モルトフィードは家畜飼料や堆肥のほか、品質の安定した普通肥料(※2)に。ビール酵母は調味料、健康食品および化粧品原料に再利用されています。
※2 商品名“モルトスター ”(副産植物質肥料)として1999年に静岡県で登録
また、サッポロビールでは、モルトフィードなどをエネルギー源として効率良く活用するために、「水素・メタン二段発酵技術(※3)」「水熱処理技術(高温高圧水利用技術)(※4)」の開発に取組んでいます。
※3 水素・メタン二段発酵技術は、広島大学および(株)島津製作所と共同で開発しています
※4 水熱処理技術は、静岡大学と共同で開発しています
2002年から取組みを開始した「水素・メタン二段発酵技術」は、ビール製造工程から出る廃水を、前段として自然界の微生物を使って「水素発酵」し、効率良く水素ガスに変換処理します。続いて後段では、この過程で生成する有機酸を「高速メタン発酵」によってメタンガスに変換します。
サッポロビールが開発した水素発酵から生成するバイオガスは良質の燃料電池用ガスとして使用することが可能です。また、メタンガスはボイラー燃料として使用することができるので、電力・化石エネルギーの消費抑制、ひいてはCO2の排出抑制にもつながります。
さらに、2004年2月からは食品製造廃棄物の一種である製パン廃棄物を有効利用する試験も開始しました。この試験は、同年10月に新設した900L容試験プラントで早期の実用化をめざして実証試験中です。
水素・メタン二段発酵フロー ![]() |
![]() 900L容発酵装置 |
水熱処理技術とは、高温高圧の水を使用する技術です。高温高圧水は通常の水よりも、有機質を溶かす性質をもっています。これを利用することで、そのままでは微生物が分解しにくい固形物(有機物)を水に溶かし、メタン発酵などに使用しやすくすることができます。
この技術を用いてモルトフィードをいったん溶かしてからメタン発酵をさせることにで、現在の処理技術よりも効率良くエネルギー変換できることと、モルトフィードの容積を半減できることが確認できました。
現在はモルトフィードだけでなく、食品製造業で発生する大豆粕、茶殻などからのバイオマスエネルギー回収をめざして研究を進めています。

水熱処理によるモルトフィードの減容



