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ホーム > お店とエリア > 九州・沖縄エリア(福岡・長崎・佐賀・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄) > 熊本城復興応援缶 > インタビュー 鶴嶋 俊彦さん

熊本城復興応援缶

来るたびに新しい熊本城がある。その姿をたくさんの方々に見ていただきたいです。熊本市経済観光局 熊本城総合事務所熊本城調査研究センター 文化財保護主幹 鶴嶋 俊彦さん

写真1

昨年のインタビューでは「文化財の調査をしながら復旧工事を進めることは熊本城の新しい魅力を発見するチャンスである」とおっしゃっていましたが、復旧を進める中で熊本城の新たな魅力は発見できましたか?

お城における石垣というのは「作って終わり」ではないんです。増改築はざらにあるんですよ。古い石垣を解体して外すと、表層からは見えなかったさらに古い石垣が見つかる、といったこともあります。
たとえば最近、飯田丸五階櫓跡で加藤清正が最初に作ったものと思しき、慶長4~5年の頃の石垣が見つかったんですよね。実に400年ぶりに日の目を見たわけですが、状態も良く、あまり経年変化もありませんでした。こういった発見は、地震が起こっていなければなかったことですね。

熊本地震は大きな損失ではありましたが、そうすると僅かばかりでも得たものもあったということでしょうか?

もちろん、地震で失ったものは計り知れません。熊本城も大きく損壊しましたから。マイナスであることは間違いないでしょう。ただ、調査をする人間として得た部分は確かにありました。 調査をすることで、改めて熊本城を構成している技術力や石垣の内部構造の細かいところがわかりました。先人が、高さ10mを超える石垣をどのようにして作ったかは解体の途中でしっかり見ていないとわかりません。
加藤清正時代に積まれた石を例に挙げても、単純に石材を積み上げていただけではありません。大きく割られ、積まれた石の隙間に、様々なサイズの小石がびっしりと詰められています。そうすることで石同士ががっちりと噛み合い、グラつきもなくなるのです。 とても細やかな仕事ですよ。明治時代にも大きな地震があって一度修復されているのですが、明治の技術なのでけっこう大雑把です。 石垣復旧工事現場を歩いているだけで「これは加藤清正時代のもので、これは明治時代に修復されたものだ」というのがわかると思います。そういったことも現場の人間ならではの発見かもしれませんね。

熊本城は難攻不落であることで有名なお城ですが、調査していてもそれを実感されましたか?

旧陸軍は西南戦争の折、熊本城の構造を最大限利用して西郷軍を追い返しました。城塞として優れた機能を持つ熊本城には、薩摩兵は一人たりとも入れなかったのです。
こうした熊本城の構造のすべては築城した加藤清正の意図なのですが、その加藤清正が携わった時代の息吹は何度も感じましたね。
お城は軍事要塞なので、当然ながら基本的に人が簡単に寄り付けないような構造になっています。10mを超える高い石垣なんてよじ登れないですよね。よじ登っている最中に撃ち落とされてしまいますから(笑)。
人が寄りつけないということはつまり、築城に大変な苦労があったということです。
石垣に使われている石は、小さくても数百キログラム。私たちは大型クレーンを使って工事していますが、すべてが人力で行われていた400年前の苦労はいかほどのものだったか。守りに徹し、攻め難しというのはどこのお城でもそうです。そして造るのも難しいですが、修理するのはもっと難しいんです。

計画書には「石垣1㎡あたり3石」「1日あたり3石」で、復旧工期は20年という記載がありましたが、これについてどう思われますか?

回収した石をベースにして、新しく石を割り削り、設置してみてまた少しずつ削って調整し、隙間があれば小石を詰め……という作業を繰り返して、1日あたり3石は復旧させる、というのが目標です。
本当に作業をしているのかと思われるくらい地道なペースではありますが、作業する熟練工が非常に少ないことも問題としてあります。しかし、熊本城は優れた技術の結晶体。
江戸時代の石垣技術を共有して、日本の伝統的な文化財である石垣の復旧・修理に役立とうという若い石工さんたちもどんどん出てきています。
熊本城でそういう訓練を積んで次に活かす。そういう意味では熊本城が果たす役割はいくつもあると思うんですよ。確かに重い石材も運びますし、危険がない仕事では決してありません。ただ、そうして仕上げるものは唯一無二の「熊本城」です。教科書に載る仕事ですよね。
工事の日々は地道でも、みんな「自分が熊本城を直した」という誇りを持って取り組んでいるんじゃないでしょうか。