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ホーム > お店とエリア > 北海道エリア(北海道) > 北海道発 おいしい空間 第3弾 vol.2

北海道発 おいしい空間 北海道の4人の人気建築家・空間デザイナーと、飲食店経営者が、共に創り上げた空間で、北海道の食について、それぞれの想いを語り合うトークセッション。北海道の旬な経営者が続々と登場いたします。

第3弾 - 中山眞琴(nAナカヤマ・アーキテクツ) vol.2 Dolceteria Hokkaido HASSO -八窓-

第3弾のホスト役は、北海道の建築シーンの重鎮、nAナカヤマ・アーキテクツの中山眞琴氏。第2回目のゲストは、「oggi」のオーナーシェフであり、「HASSO」のオーナーでもある高尾僚将氏が登場。

第3弾(全3回)対談ホスト 株式会社nAナカヤマ・アーキテクツ 中山眞琴氏第2回目ゲスト oggi. HASSO. azzurro代表 高尾僚将氏

独立する時には
憧れの建築家に頼みたいあたためていた想い

中山高尾さんとは不思議な縁ですよね。

高尾公務員だった父の公宅の隣に、コンクリート打ちっぱなしのスタイリッシュな家があって、18歳の僕にはすごく印象的な建物だったんです。何年か後に中山先生の作品集を見ていたら、その家が載っていたんですよ。独立する時には絶対この建築家の先生にお願いしたいと、事務所に押しかけたのが出会いですよね(笑)。

中山確かに、押しかけられましたね(笑)。そういう形で記憶に残って、指名までしてもらって、こういう出会いは嬉しいですよね。「中山は高いぞ」と、いろんな人に散々脅されてきたらしいけれど、僕は「いいよ!」と即答でしたね。

高尾僕はお金もないし、お願いしたい物件もボロボロなのに、中山先生はなぜやってくれるんだろうって、当時は思っていました(笑)。

中山好きなんだよね。小さな仕事が。5~6年前までは、住宅が中心だったけれど、ちょうど飲食店を手がけていきたいと思っていた頃でもあったんですよ。

高尾僕は元々、先生の世界観が好きなので、最初の「oggi」の時はお寿司屋さんのようなカウンターをつくりたいというイメージだけお伝えして、あとはお任せに。2店舗目の「HASSO」は狭い空間を生かして、茶室をイメージしたデザインにしていただいて、店名も先生がつけてくれたんですよね。

僕とスタッフは、3年ごとにカタチを変えて、新しいスタイルのお店を提案していきたいと思っているんです。札幌にはスイーツ・バーがなかったので、HASSOではスイーツとお酒、でも料理も楽しめるという空間にしました。階段を茶室の露地(茶室に付随する庭。元々の意味は茶室に通じる路)に見立て、人が譲り合ったり、すれ違ったりしながら茶室に入るような感じ。小さいけれど、そこにいろんな人が集まるお店になればといいなと思っていたんです。

中山実際、その通りになったよね。

高尾ありがたいですね。思い思いに過ごして、利用してもらっていますね。男性客が多いのが、僕は特に嬉しいですね。

「HASSO」が入るテナントビルの「SCALETTA」は、階段が印象的な建物。1階の階段を上がるとドアがあり、さらに階段が続くというデザイン。ブロックが多く使われているが、表面を磨いて1つ1つ違う表情を出すなどの工夫も。また、19坪という小さな面積のため、北海道では珍しい足場を組まずに建設する方法が取られた。「HASSO」のデザート、特にパルフェは男性客にも人気が高い

その時のベストを尽くし自分を表現することが満足度や評価に繋がる

中山oggiが入っていた「タカミマンション」が老朽化で建て替えをしている間、HASSOはスタッフに任せ、高尾さんは乞われて上海のレストラン(※フラテッロ・ディ・ミクニ 上海)で約1年、働いてきたけれど、どうでした?
※2013年に上海にオープンしたレストラン。

高尾食の豊かさ、自然環境など、北海道の良さを再確認しました。そして、上海でも北海道が評価されていることを感じました。北海道はアピール下手だから、これからは世界の人にどんどん魅力を発信していったほうが良いし、そうなっていくんじゃないでしょうか。

中山僕は海外には住んだことはいないけれど、日本ってすばらしい国だとしみじみと思うんだよね。文化から人柄、技術にクリーンさなど、総合点が高い。日本人がそれに気づいていないのはもったいないよね。

高尾上海のお客様にも、中山先生の作品、特に宿泊施設のことをご存知の方が結構いるんですよ。先生はドイツでも賞を取っていますし、北海道や札幌をベースにやっていて、世界にきちんと発信しているのはすごいなと思います。

中山表現したいことをカタチにして、それが自然と評価されるというのが理想ですよね。こうやったら賞を取れるとか、そういう建築は嫌なんです。そういうものに限って、使い勝手が悪かったり、使う方に迷惑がかかるから、そういうことは絶対しない。それが当たり前ですよ。

高尾先生にお願いしているタカミマンションの建て替えデザイン、今から完成が楽しみです。僕の店だけではなく、マンションの部屋自体も手がけてもらうんですよね。スタイリッシュだけど、そこに温かさがある。そんな空間をまたお願いしたいです。

中山僕は、主役はお客さんだと思っているから。飲食店の場合、お客さんが入った状態を想像して設計しているので、あくまでも僕たちの仕事は黒子の役割。つくっていくと、いろいろやりたくなるのはわかるんですけれどね。内装は主張しすぎてはダメ。新しい店舗で高尾さんはどんな料理を考えているの?

高尾ャンルにとらわれず、自分の世界観を表現したいと思っています。人の意見は時としてありがたいけれど、自分で満足しないとダメだなと思うんです。

中山聞きすぎると迷っちゃうだけだからね。自分らしさを失う。僕らふたりに共通しているのは、つくるという仕事。自分たちが思う良さを提供できないと、逆にお客さんに失礼になるからね。


プライベートでもよく食事をするというおふたり。「先生からはいろんなことを教わっています。酔っぱらっていても、頭の中ではしっかりメモっていて、いつも参考にさせてもらっているんです(笑)」と、高尾さん

茶道の世界観のように削ぎ落とした先に見えてくる本質こそが個性になる

高尾先生の作品、昔と今とでは全然違いますよね。

中山やっぱり歳をとったんだと思うよ(笑)。特に変わったのは20年くらい前かな。それまでは僕はフィフティーズが大好きでしたから。ある日突然、和って美しいなぁと思い始めるんですよ。味覚のように、美的感覚も年齢とともに変わると思う。

高尾先生の建築はシンプルですが、一瞬見ただけで中山先生のものだってわかるんですよね。そこには見えない仕事がたくさんしてあって、どんどん削っていっても個性があるというか、独特の雰囲気を醸し出しているというか。それがどこからインスピレーションを得ているのか聞いてみたら、先生は和の世界に精通しているんですよね。

中山僕は千利休、古田織部、小堀遠州※など、茶人を研究しているんですよ。茶室をつくる時、今は利休のアイデアが伝統として受け継がれているけれど、当時の利休はアバンギャルドなデザイナーでもあったんですよね。僕は日本のダ・ヴィンチだと思っているんです。付け足すことは後からいくらでもできるし、誤魔化しがきく。削ぎ落すと本質が見えてくるから、力がないとできないですよね、やっぱり。均整がとれて、さらりとした侘び寂びができている。先人に学ぶことは多いですよ。
※利休、織部、遠州は戦国時代~江戸時代初期に活躍した茶人。

高尾僕は今いろいろやりたくて、料理を飾り立てたりしていますが、年齢や経験を重ねて、研ぎ澄ませていった先で、削ぎ落とした料理を表現できたらと思っています。普通の料理に見えるけれど、「高尾の味だね」と言ってもらえるような、そんな料理をつくれるようになりたい。そう思っています。

[今日のおいしい空間] HASSO

普段はコース料理でしか出会えないレストランデザートを、アラカルトで楽しめるというコンセプト。道産食材を生かしたものなど、常時10種類ほど用意。HASSOのもうひとつの楽しみはお酒と料理。酒肴からパスタ、メインまで幅広く揃い、こちらも道産食材が活躍。デザートだけの人と食事をオーダーしたい人が一緒に楽しめる貴重な空間。

北海道札幌市中央区南2条西5丁目 SCALETTA 3F
TEL/011-231-7778
営業時間/16:00~1:00(LO0:30)
定休日/水曜
エビス600円、道産もち豚のポルケッタ1,800円、
浦河産つぶのガーリックバター煮900円

 [店舗設計会社] 株式会社nAナカヤマ・アーキテクツ

国内はもちろん、海外でも高く評価されている建築デザイン事務所。住宅、店舗、ホテルまで、手がける物件は幅広い。日本の美意識を常に念頭に置きながら、機能性や耐久性はもちろん、長い時間を経ても飽きの来ない、心や目を楽しませる本質的なデザインを追求している。

http://www.nanana.co.jp/
TEL/011-688-7111

小西 由稀岩浪 睦