サッポロビール株式会社
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第1弾企画 「百人ビール・ラボ」の取り組み

炎上の危機か!?

コンセプトについて議論を始めて3週間。
第4回目の会議が、コンセプト決定の最終会議となります。

これまで参加者の皆さんからは、多岐にわたるコンセプト案をいただき、アンケートを実施しながら反応を確かめながら、まずはコンセプトを8つに絞り込み、次の会議で3つに絞り込みました。第4回目の会議はその3つのコンセプト案から、最終の1案に絞り込む会議となります。

ここから絞り込まれたのが、下記の最終3案。

参加者のみなさんも、今回でコンセプトが決まってしまうとあり、反応も真剣そのもの。ここで、「百人ビール・ラボ」がどうしてもこだわった、コアな参加者の方の要望に応じなかったポイントがあります。それはビールのスタイル名を使用してのコンセプト決めです。

世界には、80を超えるビールのスタイルがあり、発酵方法や原料や酵母の種類、色の濃淡や色調、産地や歴史などに由来するカテゴライズがスタイルであり、このスタイル分類である程度味がイメージできます。
一部の参加者は、コンセプト議論でこの「スタイル名」の使用を主張してきたのです。私たちも、その主張の気持ちは痛いほど分かっていました。ビール愛好家は、エール、IPA、トラピストなど、ビールのスタイル名で味や香りをイメージして楽しむ。だから、お互いにコンセプトを決める上で、ここを固めておかないと共通認識を持てないと考えているのです。

そのイメージはエールなの?それともIPAのほうが近い?

普通ビールのコンセプト語るのに、
スタイルで表現するのが当たり前でしょ!?

スタイルで会話しないと、味のイメージがつかめないでしょ!

スタイル支持派の参加者からは、厳しい表現のコメントが入り始めました。こちらが引かないことにいら立ち始めているようです。このようにこだわりを持ったビール愛好家は絶対的に必要な存在です。怒ってみんなが参加しなくなったら、議論に深みが無くなってしまいます。絶対的に必要な存在であることは重々承知しています。しかし私たちは、ここだけはこだわって「スタイル名」を使わなかったのです。

理由は、「スタイル名」を使った瞬間に味や香りのイメージが固定化してしまうためです。私たちは、ここで議論したビールが仮に実際に発売された場合にも、「ビール愛好家と議論して生まれた新しいビール」を開発したかったのです。現在存在する特定のスタイルのビールのサッポロ製品版をつくることが目的ではないのです。
それに、参加者の中には世界の多様なビールを味わってきた方ばかりではありません。エール、IPAと言っても、イメージができない方も多いはず。そこでこのような表現で決めてしまえば、「ついていけない」と参加を断念してしまう可能性もあるのです。

難しい判断ではありましたが、私たちは「形容詞」にこだわってコンセプトワークを行いました。

繰り返し、「それは言葉で表すと、どんな表現になる味・香りですか?」と質問しました。参加者のみなさんは、難しかったと思う。グルメレポーターに特殊な表現能力が必要であるが、そのレベルのことを要求しているのです。そしてその表現された形容詞を、共通認識として共有しなければならないのです。

しかし「スタイル名」にこだわったビール愛好家との攻防は、やがてある一人の愛好家の一言で決着がついたのでした。ビールに対する知識が豊富で、いつも深い専門知識で議論に深みを与えてくれるSさん。その存在は「百人ビール・ラボ」の中でも特異で、開発の議論における原料や醸造に関する情報に対して、常にフォローしてくれる方。私たち主催者にも、参加者のみなさんにも非常に友好的な方で参加者からの信頼も厚かった方です。

「このプロジェクトのターゲットは、我々のようなビールに強くこだわりを持つ人と、(よい意味で)普段着で深く考えずにビールを楽しんでいる方の両者だと思います。会議の進行は、ブレーンストーミング的に広い意見を募って、次第に意見を集約して行っているのだと思います。だから、言いたいことをとりとめもなく書いていいのだと思います。それを集約してくれるのは主催者であるラボさんたちのお仕事です。」

この一言で、「スタイル名」論争が落ち着いたのです。

さて、それではコンセプトは、どのように決定したのでしょうか。

コンセプト決定のプロセスは、このような感じだ。前回の会議に向けて行ったアンケートでも、多数の得票数で1位だったのが「一人でとことんじっくり味わうためのビール」。最後は、それに加えて「和食に合うビール」「日中に飲むビール」を加えた3案の中から、最終の1案を決める議論となりました。

「和食に合うビール」以外は、現在の日本のビール文化を切り崩すコンセプト。「日中に飲むビール」は、ヨーロッパでは当たり前とされている文化を日本に持ち込もうという意図。もちろん、仕事中に飲むというものではなく、休みの日の日中という定義です。しかし、勤勉・まじめな日本人にこの文化が浸透するのか、そのあたりが焦点となります。

そして「一人でとことん味わうビール」は、現在の日本のビール文化の対極となるコンセプト。乾杯の代名詞ともいえるビールは、みんなでわいわい楽しく飲むアルコール飲料の代表格であるが、2杯目3杯目となると、違うアルコールに取って変わられる可能性もあります。ビール愛好家は、ビールをじっくりいつまでも楽しみたいのです。しかし日本の大手ビールメーカーが発売しているほとんどの銘柄は、爽快感を軸にした「ピルスナー」スタイル。冷たいうちは爽快感があるが、ぬるくなると爽快感が減少してくる。じっくりタイプのビールではないのです。じっくり飲むには、あまり冷やさずに常温で飲むようなスタイル、エールやIPAなどが世界的に有名である。だから、そのようなビール文化が日本にも欲しいのです。だからこそ、「スタイル名」でのコンセプト決めを強く要望していたのだと思います。

「和食に合うビール」は、少し軸が違うが、残り3案になった段階で、日本の大手ビールメーカーにはないコンセプトを求めてきていることは伝わってきました。そして、会議での議論の流れは明らかに「一人でとことん味わうビール」になっていました。

  • 始まりは「世界のビール12本セット」
  • LIVE会議はラジオだった!?
  • さあ、ビールをつくってみよう!
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  • ビールを学ぶ
  • 試飲そして完成披露パーティー
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